芥川賞と直木賞はどっちが上?ジャンルの違いや2018年の受賞候補作は?

芥川賞 直木賞 どっちが上


こんにちは。芥川賞・直木賞の発表の時期になりましたね!本好きな私としてはどの作品が受賞するのかとっても楽しみです。

こはる

芥川賞・直木賞が文学賞として大きく注目されるきっかけになったのは、お笑い芸人、ピースの又吉直樹さんの存在ではないでしょうか?

又吉直樹さんの『火花』は2015年に第153回芥川賞を受賞しましたよね。

『火花』は単行本の発行部数はなんと300万部以上!(2017年現在)

現役のお笑い芸人が芥川賞…!

又吉直樹さんが文学の歴史を変えたと言っても過言ではないですね。

他にも、大きな話題を読んだ芥川賞・直木賞の受賞には次のようなケースがあります。

  • 2013年朝井リョウさんが『何者』で第148回直木賞受賞、直木賞史上初の平成生まれの受賞者で男性受賞者最年少。
  • 2017年若竹千佐子さんが『おらおらでひとりいぐも』で第158回芥川賞、63歳の専業主婦がデビュー作で芥川賞受賞!
  • 2017年人気ロックバンド、SEKAINOOWARIのSAORIさん(藤崎彩織)が直木賞の候補作に選ばれる

芥川賞・直木賞は同じ日に発表されますが、そもそも芥川賞・直木賞にはどんな違いがあるかを知っていますか?

芥川賞・直木賞の受賞作を読んだことがあるという方も意外と芥川賞・直木賞の違いを知らないんですよね。

芥川と直木賞って、結局どっちの方が格上?どっちの方がすごいの…?

また賞金などにも違いがあるのでしょうか?




2018年上半期、芥川賞・直木賞の候補作は?

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第159回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が先日発表されました。

芥川賞・直木賞選考会は7月18日に、東京・築地の新喜楽で開催されます。

芥川賞の候補には、劇団「大人計画」主宰で俳優としても活動する松尾スズキさんが選ばれました!

以前から大人計画の演劇や松尾スズキさんの文章のファンだった私にはとてもうれしいニュースです。

ネット上では演劇関係者から続々とお祝いの言葉が!

直木賞の候補には、多くの作品が映画化されている湊かなえさんがノミネートされています。

第159回、芥川賞・直木賞の候補作は次の通りです。

第159回芥川賞候補作

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  • 古谷田(こやた)奈月「風下の朱(あか)」
  • 高橋弘希「送り火」
  • 北条裕子「美しい顔」
  • 町屋良平「しき」
  • 松尾スズキ「もう『はい』としか言えない」」

第159回直樹賞候補作

  • 上田早夕里(さゆり)「破滅の王」
  • 木下昌輝「宇喜多の楽土」
  • 窪美澄「じっと手を見る」
  • 島本理生(りお)「ファーストラヴ」
  • 本城雅人「傍流の記者」
  • 湊かなえ「未来」

芥川賞と直木賞の大きな違いは”ジャンル”

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芥川賞と直木賞、混同してしまいがちになりますがどんな違いがあるのでしょうか?

芥川賞と直木賞の文学賞としての違いをみてみましょう。

芥川賞と直木賞の大きな違いは純文学か、大衆文学か

芥川賞 直木賞 どっちが上

芥川賞と直木賞の違いは対象となるジャンルにあります。

  • 芥川賞は「純文学」作品に対して贈られる文学賞
  • 直木賞は「大衆文芸」作品に対して送られる文学賞。



芥川賞と直木賞の共通点は?

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芥川賞と直木賞の違いがよくわからないという理由には、芥川賞と直木賞に多くの共通点があることが挙げられます。

特に、芥川賞と直木賞が同じ日に発表されることで、どっちがどうだっけ?と思ってしまう人が多いのかもしれません。

芥川賞と直木賞は創設者や賞金、選考会場は発表日時も同じ!

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  • 文藝春秋社を創設した菊池寛が創設
  • 正賞は懐中時計
  • 副賞は賞金100万円
  • 年2回(1月・7月)に発表
  • 選考会場も同じ(東京築地の新喜楽)

芥川賞ってどんな文学賞?

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芥川賞とはどんな賞なのでしょうか?

芥川龍之介という作家はとても有名なので、なんとなく芥川龍之介にちなんだ賞なのだろうなあ〜と思いますよね?

芥川賞とはどんな賞なのかを簡単にご説明します。

  • 1935年文藝春秋を設立した菊池寛がつくった賞
  • 芥川龍之介の功績を讃えてつくられた
  • 対象ジャンルは「純文学」
  • 無名あるいは新人作家の書いた短編・中編が対象

こちらの動画は、2015年に第153回芥川賞を受賞した時のお笑い芸人、ピースの又吉直樹さんの会見の様子。

 

西村賢太さんの芥川賞の会見も面白かったですね。個人的に大好きです(笑)

芥川賞の歴史

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芥川賞とはその名の通り芥川龍之介の功績を讃えて創設された賞です。

多くいる文豪の中でもなぜ芥川龍之介なのかというと、芥川龍之介と芥川賞創設者の菊池寛が友人関係だったから。

実は、芥川龍之介の功績を称えるために創設した芥川賞は創設当初はほとんど話題にならなかったのだそう。

しかし、1956年に石原慎太郎の”太陽の季節”が芥川受賞したことで多くのメディアが取り上げるようになり、芥川賞は日本を代表する文学賞のひとつとなったのです。

石原伸太郎さんといえば元東京都知事で、昭和の名優石原裕次郎さんのお兄さんでもあります。

当時まだ一橋大学の学生で23歳の石原慎太郎さんはさぞイケメンだったでしょう…

芥川賞の対象ジャンルは純文学

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芥川賞の対象ジャンルは純文学という点が直木賞(選考ジャンルが大衆文芸)とは大きな違いです。

では、純文学とは一体どんなジャンルなのでしょう?

純文学を一言で言うならば「芸術性が高く、個人的な要素が強い作品」です。

私小説(作家自身が主人公の作品)が芥川賞を受賞することもあります。

私小説で芥川賞を受賞した代表作といえば、2011年に第144回芥川賞受賞した西村賢太さんの”苦役列車”などがありますね。

芥川賞の選考委員はだれ?

文学賞は基本的に有名な作家の人が集まって受賞作を決定します。

2018年3月現在、芥川賞の選考委員は次の方々です。

  • 小川洋子(56歳)
  • 奥泉光(62歳)
  • 川上弘美(60歳)
  • 島田雅彦(57歳)
  • 高樹のぶ子(72歳)
  • 堀江 敏幸(54歳)
  • 吉田修一(49歳)
  • 山田詠美(59歳)
  • 村上龍(66歳)
  • 宮本輝(71歳)/li>

芥川賞は50歳から〜70歳前後の作家の方々が選考委員になっているんですね。

直木賞ってどんな文学賞?

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では次に、直木賞がどんな文学賞なのかをみていきましょう。

芥川賞=誰もが知る文豪・芥川龍之介をイメージするのに対して”直木賞の直木って…?”となってしまう方もいるのではないでしょうか?

  • 1935年文藝春秋を設立した菊池寛がつくった賞
  • 直木三十五の功績を讃えて創設された文学賞
  • 対象ジャンルは「大衆文芸」
  • 無名・新進・中堅作家が書いた短編および長編の大衆文芸作品が対象

直木賞という言葉は有名ですが、直木三十五の存在はよく知らない(そもそも直木三十五という作家が存在したことを知らない)人も多いかもしれません。

直木三十五(なおきさんじゅうご)は、大正〜昭和にかけて活躍した作家です。

芥川龍之介と同じように直木賞の創設者である菊池寛の友人でした。

直木賞の対象ジャンルは大衆文芸や時代小説

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直木賞の対象ジャンルは大衆文芸や時代小説です。

大衆文芸とは、一言で言うと多くの人が理解しやすい作品のことです。

直木賞は無名・新進・中堅作家が書いた短編および長編の大衆文芸作品が対象です。

しかし純文学(芥川賞)と大衆文芸(直木賞)の境界が曖昧になることもしばしばあると言われています。

こちらの動画は、2013年に23歳で史上最年少で直木賞を受賞した朝井リョウさんと直木賞のもう一人の受賞者である安部龍太郎さん。

そして、芥川史上最高齢で芥川賞受賞(75歳)の黒田夏子さんの3人が並んだ会見の様子です。

直木賞の選考委員は?

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2018年3月現在、直木賞の選考委員は次の方々です。

  • 浅田次郎(66歳)
  • 伊集院静(68歳)
  • 北方謙三(70歳)
  • 桐野夏生(66歳)
  • 高村薫(65歳)
  • 林真理子(64歳)
  • 東野圭吾(60歳)
  • 宮城谷昌光(73歳)
  • 宮部みゆき(57歳)

芥川賞は直木賞に比べて、選考委員の平均年齢が高くなっていると感じます。

東野圭吾さんや宮部みゆきさんなど、日本を代表する作家の方々が芥川賞を選考しているのですね。

選考が行われる料亭新喜楽とは?

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芥川賞と直木賞は同じ会場で選考がおこなわれます。

東京都中央区築地にある新喜楽という料亭です。

新喜楽は日本料理の店で日本三大料亭の一つとされる由緒正しき料亭です。

1Fが芥川賞、2Fが直木賞に別れて選考されています。




芥川賞と直木賞ってどっちの方が上?どっちの方がスゴイの?

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芥川賞と直木賞ってどっちの方が上?どっちの方がスゴイのかが気になりますよね?

特に、2015年にお笑い芸人の又吉直樹さんが芥川賞した時”直木賞とどう違う?直木賞よりもすごいの?”と疑問に思った方も多いと思います。

芥川賞と直木賞はどちらが上とされているのでしょう?

芥川賞と直木賞は比較が難しい

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実は、芥川賞受賞作と直木賞受賞作を比較するのはかなり難しいのです。

芥川賞と直木賞を比較できない理由は、芥川賞は純文学を対象としていて、直木賞は大衆文学を対象としているという大きな違いがあるからです。

映画のアカデミー賞とパルムドール賞はどちらがすごいのか、西と東のお笑いはどちらが面白いのか比較するのが難しいのと似ています。

芥川賞と直木賞は、明確な違いというものがはっきりと分けられていません。

そのため、芥川賞と直木賞、どちらが格上、どちらがすごいとはいえないのです。

芥川賞は無名、新人作家が受賞、直木賞は中堅以上の作家が受賞することが多い

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ただ、芥川賞が無名・新人作家が受賞するのに対して、直木賞は中堅以上の作家が受賞することが多いです。

例えば、63歳の専業主婦である若竹千佐子さんがデビュー作で受賞したのが芥川賞ですが、直木賞はすでに多くの作品を発表した作家が受賞する方が多いです

そのため直木賞の方が賞として格上だと判断する方もいるようです。

芥川賞と直木賞をダブル受賞することはあるの?

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1人の作家による芥川賞・直木賞のダブル受賞はあるのでしょうか?

1人の作家による芥川賞・直木賞のダブル受賞は考えられない

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結論から言ってしまうと、1人の作家による芥川賞・直木賞のダブル受賞は考えられないとされています。

実は、芥川賞又は直木賞を受賞した人は、次回の候補から除外されるというルールがあります。

芥川賞受賞者が後に直木賞を受賞することも、直木賞の受賞者が受賞後に芥川賞を受賞することもありえないといえますね。

芥川賞と直木賞はどっちが上?ジャンルの違いや2018年の受賞候補作は?まとめ

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今年(2018年上半期)の芥川賞と直木賞の候補作が発表され、あとは受賞作の決定を待つのみとなりました。

私個人としては、以前からファンだった松尾スズキさんに芥川賞、すでに作品を読んで絶対受賞するだろうと思っている湊かなえさんの作品が直木賞を受賞して欲しいな〜

芥川賞と直木賞の違いを理解していると、より受賞作に興味が持てそうですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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