こはる
2018年6月18日7時58分頃、大阪府北部を震源とした最大震度6弱の地震が発生しましたね。
大阪府吹田市で被災したいとこの話によると、今回の地震はかなり突然大きな揺れが襲ってきたのだとか…
自分のいる真下から突然どーんと突き上げるように縦に揺れるのは今回の大阪で発生した”直下型地震”の特徴です。
直下型地震は地上近くの浅いところで発生するという特徴を持ち、地震の規模に対して揺れが大きくなるので被害の様子を見て驚いた人も多いかもしれませんね。
直下型地震は震源が浅く、地震の発生までの時間ががとても短いということ。
そのため、直下型地震の場合は緊急地震速報が間に合わないというケースもあります。
実は、大阪の地震の活断層である有馬〜高槻断層帯は”今後30年以内にマグニチュード7.5程度の地震が起きる確率を0%〜0.03%%未満”と評価されていたのです。
大きな地震が発生する確率が0.1%以下の確率だった地域でも地震が発生するのなら…
日本列島はどこでも直下型地震が襲ってくる可能性があるということでもあります。
もしも、大きな地震が発生する前に”前兆”のようなものがあるのだとしたら…
知っておきたいな、と思いませんか?
大きな地震が発生する前の”前兆”がわかっていたら、もしかしたら大きな地震に対しての警戒や備えにつながるかもしれませんよね?
地震や余震に前兆はあるのでしょうか…?
もくじ
地震や余震に前兆はある?
ひとたび大きな地震が発生すると、地震の震源地周辺では”余震”と見られる揺れが続くことがあります。
”余震”と見られる揺れの規模は小さいものから最初に発生した大きな地震と同程度のものまで。
地震や余震と見られる揺れには何か前兆のようなものがあるのでしょうか?
SNSやネット上では、地震発生前に雲の形が変わっていたとか、動物や海の生き物などが普段と違う行動をしていたことなどが”前兆”と見られていることもあります。
地震雲は地震の前兆?
あなたは、地震雲という言葉を聞いたことがありますか?
地震雲は地震の前後に特殊な形状が観測されるとされている雲のことです。
こちらの動画で地震雲を見てみると、”この雲見たことあるかも!”と思う方もいるかもしれません。
ツイッターで”地震雲”を検索してみると次のような地震雲の画像が投稿されていて数万リツイートされ拡散されていることがわかります。
大阪で地震が発生した当日(6月18日)や前日に”地震雲”を見た!という投稿が多かったようですね。
名古屋の空
地震雲だ!こりゃくるわ pic.twitter.com/qykvPGxste— 椎名プロ@TJの裏でやらせて! (@shiinapro) 2018年6月17日
ただし、地震雲と呼ばれている雲と地震の発生の関連は、地球科学や気象学、そして一般的な科学としてほとんど認められていません。
気象庁の職員で雲の研究を専門とされている方がこんなツイートをし多く拡散されています。
現時点では、雲の状態と地震の前兆との関係を判断するのは不可能だということですね。
「地震雲」を不安に思われる方が多くいらっしゃるようですが,雲は地震の前兆にはなりません.巷で「地震雲」と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで,雲の状態から地震の影響等を判断するのは不可能なのです.雲は愛でつつ,地震には日頃から備えましょう.https://t.co/GbAxOvsSIg pic.twitter.com/VUaeXUUolh
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2018年6月18日
彩雲は地震の前兆?
地震雲とはまた別に”彩雲(さいうん)”という雲が地震や余震のの前兆ではないかと言われていることを知っていますか?
地震や余震の前兆と言われていると知らなければ、思わず写真におさめたくなるような美しい雲です。
彩雲が出てるらしい。
地震の時によくみられるそうですね。まだまだ余震も心配。 pic.twitter.com/obgviGuiWr— tip off ,got it! (@summy14425241) 2018年6月18日
彩雲は太陽の光が雲を通るときに、雲の水滴の影響で様々な色に分かれて見える現象。
虹色がまだらな感じに見え、輝いて見えます。
彩雲は環水平アークと間違えやすいのですが、環水平アークが虹の見え方が同じで色が別れているのに対して彩雲は虹色がまだらという特徴があります。
こちらが環水平アークです。
環水平アーク
20180617_1328 @福山 pic.twitter.com/sHB8X3oDwE— 杉原寛 (@sugiharahirosh) 2018年6月17日
地震や余震の前兆で動物たちが不自然な動きをしている?
地震や余震の前兆で動物たちが不自然な動きをしているということを聞いたことはありませんか?
現段階では、動物の動きと地震や余震の前兆について関係性については科学的な根拠は証明されていないようです。
でも、地震の前兆現象として動物などにこんな行動が見られることがあるんだとか。
- 淡水魚が池や水槽の中で暴れて飛び跳ねる
- 金魚が水槽の中で整列るす
- 犬が異常に興奮して吠える/li>
- 猫が顔を洗うような仕草をする
- 魚が大量に海面近くに浮上する
- 普段は海底にしか生息しない生物が海面や砂浜に打ち上げられた
このような不思議な現象が、地震の余震の前兆ではないかと言われているようです。
私たち人間にはない野生的な感覚を持つ動物や海の生き物の不自然な動きは、もしかしたら地震の前兆と関係しているのかもしれませんね。
地震や余震に対する前兆は実証できないが余震に対する見通しはある
現在の地震の研究では、地震や余震が発生する具体的な日時や前兆については実証ができていません。
ただし、大きな地震が発生した時には気象庁が余震の発生状況や今後の余震の見通しを発表しています。
地震や余震の今後の見通しは?
気象庁は今回の大阪の地震で揺れの強かった地域では、1週間程度最大震度6弱程度の地震(余震)に十分注意してほしいと呼びかけています(6月20日時点)
ただし、地震に関する発表は今後も変わっていきますので常に最新の情報をチェックしておいてくださいね。
気象庁の公式アカウントをフォローしておくことをおすすめします。
【報道発表】(H30.06.19)平成30年6月18日07時58分頃の大阪府北部の地震について(第3報)について報道発表を行いました。https://t.co/8e1JnrOXRh
— 気象庁 (@JMA_kishou) 2018年6月19日
余震の規模はどうやって表す?
6月18日に大阪で発生した地震の場合、ニュースなどではこのように報道されていました。
- 18日7寺58分頃、大阪府北部を震源とする地震が発生
- 大阪市北区、大阪・高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱の揺れを観測
- この地震による津波はありません
- 震源地は大阪府北部で震源の深さは13キロ
- 地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されています
このように、ニュースなどでは”震度”という言葉と”地震の規模を示すマグニチュード”という言葉の両方を使って地震の大きさを表していますよね。
では地震(本震と見られる揺れ)の後の余震が発生した場合、その余震の規模はどのように表されているのでしょう?
余震の場合は震度のみが発表される
最初の大きな地震の後の余震にも地震の揺れ具合を表す震度と、地震の規模を表すマグニチュードの震度の2つの基準があります。
ただし、最初の大きな地震(本震と見られる揺れ)がマグニチュードと震度で発表されるのに対して余震の場合は震度のみで発表されることが多いです。
余震の場合は、揺れ具合や被害に関することがイメージしやすいように、揺れの大きさを表す震度だけで発表されているようです。
余震の中でも性質が違うものがある?
気象庁の発表によると、18日の大阪の地震のあと20日午前6時までに震度1以上の揺れを観測する余震と見られる地震は35回発生しています。
実は”余震”とされている地震の中でも性質が違うものがあるということを知っていますか?
本震の直後に多く発生し時間の経過と共に少なくなっていく余震
大きな地震が発生した時には、発生からしばらくは多くの余震が発生します。
本震の直後に多く発生し時間の経過と共に少なくなっていく余震は
- 地震発生当日〜24時間以内に多くの余震が発生
- 翌日には2分の1程度の回数に減る
- 3日目には3分の1程度の回数に減る
という風に余震の回数は時間の経過と共に少なくなっていくと言われています。
余震は規模が大きい地震の数は少なく、規模が小さい地震の数が多い
- マグニチュード3以上の地震が1,000回発生
- マグニチュード4以上の地震は約100回
- マグニチュード5以上の地震は約10回程
という風に規模が大きい地震の数は少なく、規模が小さい地震の数が多いという性質のある余震もあります。
時間の経過と共に余震の間隔も長くなっていく
大きな地震が発生した後、余震が発生する間隔は時間の経過とともに少なくなっていきます。
時間の経過と共に余震の間隔も長くなっていくということなんですね。
大阪の地震は6月19日以降余震の回数が減っている
大阪で発生した地震の場合も、地震発生後から24時間以内に多くの余震が発生しています。
しかし、震度3以上の揺れを観測する余震は最初の地震が発生してから約36時間後の19日7時52分以降発生していません。
震度1以上の余震も19日午後に2回、20日午前も2回のみの発生です。
ただし、まだ地震に対して安心しないでください。
発生から一週間となる週末にかけては強い揺れや余震に最大限の警戒が必要です。
規模の大きな地震ほど余震の規模も大きく期間も長い
2011年3月11日の東日本大震災の場合、
- 3月11日 127回
- 3月12日 33回
- <3月13日 27回
とやはり時間と共に余震の間隔は長くなっています。
規模の大きな地震ほど余震の規模も大きく期間が長くなる傾向にあります。
例えば東日本大震災の余震は本震(2011年3月11日)発生した後、震度1以上の余震は約5年の間に1万回以上も起きているのです。
また、規模の大きな地震は大きな規模の余震が来るまでの時間の感覚もとても早いという特徴があります。
大きな地震の揺れの怖さを経験してすぐにまた同じように大きな余震が襲ってくるというのは本当に怖いですよね。
地震や余震に前兆はある?地震の規模や余震の間隔は?余震はいつまで続く?まとめ
残念ながら、現在の地震科学では地震や余震の前兆となる現象は明らかになっていないようです。
しかし、今回の大阪での地震のように想定外の場所で突然大きな地震が発生する可能性も多いにあります。
自分が住んでいる場所では地震の心配はないだろうと思わずに、命をも守ることを最優先に防災への意識を高める必要があるといえますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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