こはる
2018年現在、村の数は183しかありません。
私の出身地である静岡県にはすでに村がないので、”村”に住んだことがあるというだけで日本人の中でもかなり少数派なのでしょうね。
私がはじめて”村”を訪れたのは今から10年以上前の大学生の時。
友人の地元である新潟の湯之谷村(合併して今では南魚沼市)でした。
その時私が思ったことは”自分の想像の村と違う…!”でした。
道路は広くてまっすぐだし、山奥じゃないし、電車や新幹線の駅は近いし、大きなスーパーもあるし…
私のイメージしていた村は、日本昔ばなしに出てくるような里山の風景。
でも、はじめて訪れた村は町や市との違いがよくわからないほどありふれた郊外で拍子抜けしたことを覚えています。
また逆に、市を訪れた時に”ここが村や町じゃなくて市なの?”と思ってしまうようなことも…!
町と村って、どう違うんでしょう?
村が町になるための基準や、町や村の定義について知っていますか?
また、町や村とはまた違う、市や区はどう違うんでしょうか?
今回は、意外と知らない村、町、市、区それぞれの違いをお伝えしていきます。
もくじ
村と町の違いは?村から町になる条件は?
市町村合併が進み、2018年現在183しかない”村”
村の定義とはどんなことなのでしょう?
人口や田舎度で村か町かが決まってしまうの?!
”村”という言葉の響きには、田舎で人があまり住んでいない都会から遠い場所というイメージがあります。
また、村が町になるためにはどのような条件があるのでしょう?
村の定義とは?
実は、村の定義は法律では特に定められていないということを知っていましたか?
村とは市や町の条件を満たさない地方自治体のことです。
あなたは、183あるうちの日本の村をいくつ知っていますか?
日本で有名な村というと、次のような村があります。
- 長野県白馬村
- 高知県馬路村
- 富山県舟橋村
おそらく日本で最も有名な”村”であるのは長野県白馬村ではないでしょうか?
白馬村は長野オリンピックででジャンプ競技やノルディック複合競技などが開催された場所。
上村愛子選手や渡部暁斗選手など多くのオリンピック選手を輩出したことでも知られています。
高知県馬路村は”ゆず”で村おこしをした事例で全国各地の自治体が視察に訪れているそうです。
また、富山県舟橋村は北陸唯一の村であり、面積が3.47平方キロメートルという日本で最も面積が小さな村です。
富山市のベットタウンである舟橋村は、日本一小さいのに日本一子供が多い村として有名。
少子高齢化を逆行する村として注目を集めています。
日本にもまだまだ元気な村があるんですね!
村が町になるための条件は?
村とは市や町の条件を満たさない地方自治体のことです。
村が”町”になるためには次のような条件を満たしていることが必要と言われています。
- 人口は8000人以上
- 中心市街地に全戸数の60%以上の戸数がある
- 商工業に従事するものが全人口の50%以上である
- 水道などの施設、公民館などの施設、側溝や街燈などの施設が整備されている
- 会社などの事業所、娯楽施設やホテルなど観光施設が相当数ある
一度村が町になると、町になってからたとえ人口が減ったとしても村に戻さなければならない決まりはありません。
村から町になる条件を申請当時は満たしていたけれど、現在は満たしていない町もあります。
町の定義は?市になるための条件とは?
私は小学生の時、静岡県の”町”に住んでいました。
20年ほど前の静岡県はかなり多くの”町”があったと記憶しています。
平成の大合併で、2002年には静岡県内に74あった市町村が現在では35市町と半分以下になっています。
そして住所を書く時に”○○”群”○○町”と書くのがなんとなく田舎っぽくてダサいので(笑)
町が市にならないかな〜と思ったこともあります。
町という自治体はどんな定義を持っているのでしょう?
また町が市になるためにはどのような条件があるのでしょうか?
町の定義とは?
町であるためには、その町のある都道府県の条例に定められている条件を満たす必要があります。
福島県で定めている町の定義を参考にしてみましょう。
- 人口8000人以上
- 中心となる市街地に全体の6割の住宅があること
- 商工業に関わる人の人口が全体の5割以上いること
2018年では日本には744の町があります。
日本では次のような有名な町があります。
- 長野県軽井沢町
- 北海道ニセコ町
- 神奈川県箱根町
軽井沢町、ニセコ町、箱根町という名前はよく耳にするのではないでしょうか?
”市”ではなくても知名度の高い町や、観光で有名な町は日本に数多くありますよね。
町が市になるための条件とは?
市とは人口が多く密集している自治体のことです。
2018年現在、日本には791の市があります。
市は一定の条件を満たした町や村がなることができます。
- 人口が5万人を超えていること
- 中心となる市街地を構成する戸数が全体の戸数の6割以上であること
- 各都道府県が条例で定める都市的施設その他の都市的条件を満たしていること
市は人口の密集している自治体であるため、中心となる市街地を構成する戸数が全体の戸数の6割以上であることという条件を満たす必要があります。
都市的施設とは、例えば病院、学校、図書館、銀行、博物館などです。
ただし、市町村の合併の特例に関する法律により、町と町、町と村などが合併した時には人口が3万人を超えていれば市に昇格できるようになりました。
いったん市に昇格することができれば、市の条件を満たせなくなっても町や村に戻ることはありません。
日本には市の条件を満たしていない市がいくつも存在します。
私の住んでいた静岡県下田市は人口が約2万2千人。
今住んでいる長野県の飯山市も人口は約2万1千人です。
市から町または村になったケースは前例がない
住民が市から町や村に戻ることを望んでいれば、一旦市になった自治体が町や村に戻ることは可能です。
かつて10万人超の人口だった北海道夕張市の人口が1万人を下回った時、町への移行を検討したことがあったのだそう。
市から町や村になるのに特別の条件はなく、市議会の議決を経て都道府県知事に申請すればできます。
ただし一旦市になった自治体が町や村に戻ることはデメリットのほうが大きいため、前例はありません。
一旦市になった自治体が町や村に戻ることはデメリットとは…
- 地方交付税が減らされる
- 表記変更に伴う負担が発生する
- 市から町への”降格”でさらに市民のモチベーションに与える悪影響
などが懸念されると言われています。
村や町が市になるメリットとは?
2018年現在、日本には814の市があります。
人口が372万人の横浜市から、人口約3500人の北海道歌志内市まで人口の面では大きな開きがあります。
村や町と市では、イメージにも違いがありますよね?
村や町が市になることではどんなメリットがあるのでしょうか?
村や町が市になると権限が拡大する
市は町や村より多くのことを自治体で決めることができます。
村や町が市になると権限が拡大するというメリットがあると言えますね。
村や町が市になると”ブランド”を手に入れることができる
村や町が市になるメリットとしては市というブランドを手に入れることができるという点です。
町や村と聞くと、小さな田舎というイメージがありますよね。
でも市になると都会で栄えているイメージはあります。
市になると自治体のイメージが良くなるというメリットがあるんですね。
区の定義は?市が区になるための条件とは?
さて、市よりももっと規模の大きな都会というイメージのある”区”
平成の市町村大合併以前は”区”に住んでいるというとかなり都会に住んでいるイメージがありましたよね?
”区”という自治体にはどんな定義があるのでしょう?
また、市が区になるためにはどんな条件があるのでしょうか?
区の定義とは?
”区”とは政令指定都市が設置できる行政区画のことです。
政令指定都市は都道府県並みの権限を持つことができ、区を設置することができます。
ただ、政令指定都市の区はただの行政区画であり自治体ではありません。
政令指定都市の区になるメリットは?
政令指定都市になると県から財源の一部が移譲され、市が使途を決定できる税収が増えます。
保健や福祉、都市計画などの権限も移譲され市が独自に実施できる行政サービスの幅が広がるというメリットもあります。
市が区になるための条件は?
政令指定都市は市の中で一定の条件を満たした自治体がなることができます。
その条件は法律上では人口が50万人以上であることと定められています。
ただし、実際には50万人を超えていても政令指定都市になれない場合が多いです。
例えば
- 埼玉県川口市
- 千葉県船橋市
- 東京都八王子市
- 鹿児島県鹿児島市
これらの市は人口50万人以上で政令指定都市になっていない市です。
政令指定都市の中で最も人口の少ない静岡県静岡市は人口が約70万人。
政令指定都市になるためには人口が70万人以上、かつ人口が増加傾向にあることが条件なのではないかと言われています。
町と村の違いは?市や町になるメリットは何?市と区では人口や権限が違う?まとめ
町と村には人口や戸数などの違いがあることがわかりましたね。
町や村が一旦市や町になると、昇格の条件をずっと維持しなくても降格することがないため、人口が著しく少ない市や町が存在しているんですね!
また、村や町が市になったり、市が政令指定都市になって区になると様々なメリットがあることがわかりました。
私は、日本の村、町、市、区全てに住んだことがありますが、どこもやはり”住めば都”でいいところがたくさんあります。
町、村、市、区に関わらず自分の住んでいる自治体に住みやすさや豊かさを感じながら暮らすことができるのが理想ですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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