こはる
村田沙耶香さんといえば、執筆業の傍ら今でも週に3回コンビニでアルバイトを行う“異色の小説家”として注目を集めている若手作家。
村田沙耶香さんの第155回芥川賞受賞作の”コンビニ人間”を読んだ!という人は多いのではないでしょうか?
私は村田沙耶香さんの”コンビニ人間”を芥川賞受賞前に読み、大学入学当初から20年近くもコンビニバイトを続ける主人公の生活に衝撃を受けました。
実は、コンビニ人間の主人公である古倉恵子36歳は今風にいうならコミュ障というか…
アスペルガー症候群や発達障害のような傾向の強い女性です。
特に、コンビニ人間の主人公の次のような行動は村田沙耶香さんにしか描くことのできない世界ではないかと感じました。
- 男子のケンカを止めるためスコップで頭を殴ってケンカを止める
- ヒステリーを起こした先生のスカートとパンツを下ろして泣き止ませる
- 小鳥が死んだ時”焼き鳥にして食べよう”と言う
- 赤ちゃんを静かにさせるならナイフを使えば簡単なのに、と思う
コンビニ人間の主人公は、自分の考えや行動がなぜ変なのか理解できないんですね。
こうすれば状況は良くなるだろうと考えたことをシンプルに実行してしまうんです。
私は、このコンビニ人間の衝撃をきっかけに村田沙耶香さんの次回作を待ちわびていた一人です。
そして、コンビニ人間の芥川受賞から約2年。
村田沙耶香さんがついに380枚にも及ぶ長編小説の新作”地球星人”を発表しました!
村田沙耶香さんがコンビニ人間後の新作として発表した”地球星人”の感想や、村田沙耶香さんの結婚や年齢、可愛いのにクレイジーと言われる理由についてお伝えします。
もくじ
村田沙耶香は結婚してる?文学賞受賞歴や現在もコンビニバイト?
コンビニでバイトをしながら執筆という異色の作家である村田沙耶香さん。
まずは、村田沙耶香さんのプロフィールをみてみましょう!
村田沙耶香さんの年齢や出身地
- 村田 沙耶香(ムラタ サヤカ)
- 生年月日:1979年8月14日(38歳)
- 千葉県印西市出身
- 玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業
現在もコンビニでバイト中という村田沙耶香さん。
村田沙耶香さんは深夜2時起きて執筆し午前8時からコンビニでバイト、その後は喫茶店などで原稿を執筆しているそうです。
村田沙耶香さんの文学賞受賞暦
村田沙耶香さんには以下の文学賞の受賞歴があります。
- 2003年:「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀賞受賞。
- 2009年:「ギンイロノウタ」で第22回三島由紀夫賞候補
- 2009年:「ギンイロノウタ」で第31回野間文芸新人賞受賞。
- 2010年:「星が吸う水」で第23回三島由紀夫賞候補。。
- 2012年:「タダイマトビラ」で第25回三島由紀夫賞候補。
- 2013年:「しろいろの街の、その骨の体温の」で第26回三島由紀夫賞受賞。
- 2012年:『殺人出産』でセンス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。
- 2016年:第155回芥川賞受賞
2016年に第155回芥川賞受賞されたことで大きな話題を呼びましたね。
村田沙耶香はかわいいけど結婚してる?
村田沙耶香さんは見た目の印象や話し方からは、おっとりしたやさしくかわいいイメージを受けます。
結婚されてるのかどうか気になるとこですが村田沙耶香さんの結婚に関する情報は全くないようです。
ですが、おそらく村田沙耶香さんの執筆とバイト中心の生活スタイルなどから考えても村田沙耶香さんは結婚されてない説が濃厚です。
こちらは、同じく芥川賞を受賞したお笑い芸人、又吉直樹さんと村田沙耶香さんの対談の様子。
やはりとっても可愛らしい雰囲気で、この方があんな小説を書くとは…
村田沙耶香さんがついにコンビニ人間後の新作発表!新作”地球星人”は380枚の大作!
”コンビニ”人間の衝撃から2年。
2018年4月、村田沙耶香さんがついに新作”地球星人”を発表しました。
今回発表した”地球星人”は380枚に及ぶ大作です。
村田沙耶香さんの新作”地球星人”は、ベストセラー『コンビニ人間』を超える衝撃作と話題になっていたので私も本当に新作を読める日を楽しみにしていました。
では早速村田沙耶香さんの新作”地球星人”がどんなストーリーなどかをお伝えしていきます。
村田沙耶香が作家性の全てを注ぎ込んだ総決算!長編小説”地球星人”
村田沙耶香さんは2003年のデビュー以来、家族・学校・社会に適合できない人間を描き続けてきました。
女性が強いられる恋愛→結婚→出産という”成熟”の定義への抵抗が村田沙耶香さんならではの視点や世界観で描かれています。
380枚に及ぶ新作”地球星人”は村田沙耶香が作家性の全てを注ぎ込んだ総決算とも言える長編小説。
2年間村田沙耶香さんの新作を待ち続けただけの甲斐がありました!
”地球星人”はかなりの衝撃作に仕上がっています。
地球星人の書籍化はまだ未定ですが、現在は新潮201805月号で読むことができます。
村田沙耶香の新作”地球星人”のあらすじ①小学生のいとこ同士のストーリー
物語の主人公は千葉県に住む小学生の奈月(なつき)
小学校5年生の奈月には、2年前(小学校3年生の時から)恋人がいます
それは、同い年のいとこである由宇(ゆう)。
奈月と由宇が会えるのは年にたったの一度。
夏休みに父親の故郷である長野県の秋級(あきしな、おそらく架空の地名)に行く時だけです。
長野県の秋級は山を幾つも越えた先にある村で、自然の豊かさに満ちた美しい場所です。
村田沙耶香の新作”地球星人”のあらすじ②恋人同士だったいとことの別れ
奈月は実は魔法少女。
夏樹が魔法少女であることは、いとこであり恋人でもある由宇以外の誰も知りません。
由宇も自分は宇宙人なのではないかと疑っていましたが、奈月によって由宇はポハピピンポボピア星人だったことが判明します。
奈月は家で母親と姉から虐げられています。
そして、通っている塾でもイケメン講師として人気のある先生から度々性的虐待を受けています。
やっとの思いで”先生が変”と母親に告白しても信じてもらえません
塾の先生に家に呼ばれ、先生の奈月への性的虐待はある一線を超えてしまいます。
性被害にあった奈月はその後、小学校6年生の夏休みに秋級で由宇と性行為に及びます。
それを姉や親に発見されて、奈月と由宇は引き離され二度と会うことはなくなりました。
村田沙耶香の新作”地球星人”のあらすじ③34歳になった主人公といとこの再会
物語は約25年後に飛び、奈月は34歳になっていました。
奈月は3年前に結婚し、千葉の実家近くの2LDKマンションで夫と暮らしています。
奈月は由宇のことを小学生時代の過ちとし”普通”の女性としての人生を歩んでいるかというと…そうではないのです。
奈月と夫とは”すり抜けドットコムというサイトで知り合った戸籍上のみの夫婦です。
子作りはもちろん。握手以外の身体的な接触は一切せず、寝室も食事も別々という契約結婚でした。
奈月の夫は奈月よりも社会生活に適応できない人間で、世の中の人間たちの営み(家庭を持つこと)を”工場”と呼んで軽蔑しています。
しかし、仕事をクビになった夫の療養という名目で奈月は20年以上ぶりに秋級に行くことになります。
秋級の家には、奈月と同じ34歳になった由宇がひとりで暮らしていました。
奈月、奈月の夫、由宇は秋級の家で同生活を始め、次第に地球星人への憎悪を募らせ、狂気を孕んだ行動を取り始めます…
村田沙耶香の新作、読んでみた感想は?
村田沙耶香さんの新作”地球星人”
ページをめくる手が止まらず思わず一気読みしてしまいました。
読み終わった後しばらくは今まで自分が当たり前の幸せだと思ってきたことはなんだったのだろうと”普通”や”幸せ”の定義について考えてしまいました。
日本はまだまだ保守的な価値観がはびこる社会。
村田沙耶香さんの新作”地球星人”は女性は結婚し子供を産んではじめて社会から認められる…そんな常識への違和感を見事な筆致で書き上げています。
今回の村田沙耶香さんの新作”地球星人”の中にも宇宙人や魔法が登場したりありえないような突飛な設定もあるのですが…不思議と違和感なくその世界に引きこまれます。
現在は、多くの人が常識とは違うマイノリティーに属しているといわれています。
村田沙耶香さんは小説を通じて問題提起を掲げると同時に、決して熱く語らず冷めた目線でストーリーを紡いでいきます。
読み終わった。村田沙耶香「地球星人」あぁ。もう読み終わっちゃったのか。もう初めてこの本を読めないのか。もう一回だけでいいから初めて読みたいな。本当に本当に面白かった。これから読み始める人はタイミングに気をつけてね。途中で止めるのマジでムズいよ。 pic.twitter.com/5tc4yPeLDD
— 長井短 (@popbelop) 2018年4月29日
村田沙耶香さんはかわいいのになぜクレイジー沙耶香と呼ばれている?
村田沙耶香さんは見た目はとってもかわいらしいのに、作家仲間の間では”クレイジー沙耶香”と呼ばれているのだそう!
クレイジーって…
要するに、頭がおかしいこと、狂っている…イかれてるってこと?!
村田沙耶香さんのかわいらしい見た目の印象からは全く想像できない、クレイジーなエピソードがあるようなんです。
村田沙耶香さんにますます興味が湧きますよね?!
村田沙耶香さんがクレイジー沙耶香と呼ばれる理由
村田沙耶香さんは、仲良しの作家仲間(中村文則、朝井リョウ、青山七恵、西加奈子、羽田圭介、山崎ナオコーラ、綿矢りさなど)からクレイジー沙耶香と呼ばれています。
- グロテスクな殺人シーンを書いているときに喜びを感じ
- 、バイト中に客からいきなり抱きつかれても気づかないふりをする
などなど…
個性あふれる作家の方からも”クレイジー”と呼ばれるくらいなので、他にも数々のクレイジーエピソードがありそうですね(笑)
キャラ濃すぎるなぁ…。バイトある日じゃないと小説書けないってのは、なんとなくわかる。→「殺人シーンを書くのが喜び」“クレイジー”と呼ばれる芥川賞作家・村田沙耶香の肖像(てれびのスキマ) https://t.co/rxZ2SZZpiu
— 永井 祐子 (@cafebleunet) 2016年7月20日
村田沙耶香がコンビニ人間後の新作発表!結婚や年齢は?かわいいのにクレイジー?まとめ
コンビニ人間の発表以降、村田沙耶香さんの新作を今か今かと待ちわびていたファンも多いのではないでしょうか?
村田沙耶香さんはコンビニ人間で芥川賞を受賞した後も、コンビニでバイトをしながら午前2時から執筆されているとのことでしたので…
いつかコンビニ人間を超えるような衝撃的な新作を発表してくれるのだと信じていました。
そして、満を辞して発表された”地球星人”
かなりクレイージーな衝撃に満ちた挑戦小説になっています。
読んだらしばらくは村田沙耶香さんの世界から戻ってこれませんよ…
最後までお読みいただきありがとうございました。
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