こはる
長野県の方言といえば有名なのが”ずく”
南北に広い長野県ですが、北信・中信・南信・木曽地域とどのエリアにいっても”ずく”と言う方言は通じます。
長野県ローカルで夕方放送されているテレビ番組の名前はずくだせテレビですしね。
また、ローカルラジオで”ずくだせえぶりでい”という番組もあります。
この”ずく”という言葉、長野県以外の人はほぼ知らないと言われています。
私も、長野県に来てからはじめて聞きました。
でも、長野県人にとって”ずく”は欠かすことのできない言葉。
長野県の方言”ずく”はしばしば共通語による定義ができないとされる方言です。
”ずく”という言葉の持つ意味や使い方などをご紹介しましょう!
※追記
2018年8月23日放送の【秘密の県民SHOW】で、長野県の方言【ずく】が取り上げられたそうです!
共通語では簡単に説明できない“様々な意味が含まれる県民ワード”を取り上げ、共通語に翻訳する新コーナー「ケンミン翻訳不能ワード」の初回で長野ケンミンの「ずく」の翻訳に挑戦!
結果は・・・
長野県の翻訳不能ワード
「ずく」ずくって言うのは…精神的なモンだからなぁ
根気・やる気・根性・精・意欲・モチベーション・バイタリティ・シャア専用 pic.twitter.com/s98lmwDY5u
— 450g汚麗魔Ⅱ (@DIRTYPINE45002) 2018年8月23日
もくじ
長野の方言”ずく”ってどんな意味?
長野県民が日常的に使っている”ずく”
長野県のひとに”ずくって何?”と聞いてみても、ほとんどの人が”ずくはずくとしかいえないんだよ”となかなかその意味を的確に説明できない言葉なんです。
長野県民がよく言う『ずく』とは!?
私は〝根気〟とか〝意欲〟みたいなものだと思っていました…。
明日「秘密のケンミンshow」で放送❕😆#秘密のケンミンshow pic.twitter.com/9UTUDfLSP6— でか丸 (@dekamaru_no2) 2018年8月22日
”ずく”その2文字に込められた意味について迫ってみましょう!
長野県の方言”ずく”の語源は?
長野県の方言である”ずく”その語源についてははっきりとしていません。
長野県の人々は、誠実で人に誠意を尽くす”尽くす”から”ずく”という言葉が”ずく”の由来になったのではないかとも言われています。
ずくの語源が明らかに!!#ケンミンSHOW pic.twitter.com/7VxSv1qqwF
— おぶせくりちゃんの2.0β (@obusever2) 2018年8月23日
ずく=根気?
ずくという言葉は、言うなれば根気のような意味に例えられます。
ずくがない=根気がないという意味で使っている人も多いですね。
もともと信州人はとても勤勉で努力家。
根気強く一つのことをじっくりと取り組んでいくタイプの人が多いように思います。
そんな信州人だからこそ、根気のない人を励ます意味で”ずく出してがんばって!”なんて言ったりしますね〜!
ずく=やる気?
ずくという言葉は、やる気という意味にも言い換えられるな〜と思います。
ずくがないというのは、根気以前の問題?!
そもそもやる気がない状態の人に対して”まったくずくがないんだから〜”と言ったりもします。
ずく出せ=やる気を出せという起爆剤のようなニュアンスでも使われていますね。
こちらは長野県民におなじみの夕方の情報番組”ずくだせテレビ”のCM
このCMに出てくる左腕を垂直に立て、その前に右手を水平にクロスさせるポーズ
ウルトラマンのスペシウム光線と似ていませんか?
実はこのポーズは円谷プロダクションへ事前に問い合わせ、了承を得ているのだそう!
そんなところにもやっぱり真面目で実直で【ずくを惜しまない】長野県の県民性が出ていますよね!
_人人人人人人人人人人_
> ずくはずくなんです <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄by峰竜太(下條村出身)
その通りです!#ケンミンショー
— えあ (@its77422499) 2018年8月23日
ずくを病む、ずくを惜しむってどういう意味?
長野県の方言”ずく”は出すものだけではなく、”ずくを病む””ずくを惜しむ”などと表現されます。
ずくを病む、ずくを惜しむってどういう意味なのでしょう?
ずくを病む、ずくを惜しむは信州人にとって不本意な状態?
冬の寒さが厳しい長野県で朝暖かい布団から出ることや一旦足を入れたこたつから立ち上がることはかなり勇気がいることです。
そんな時こそずくを出してがんばるのが勤勉な長野県民。
ずくを病む、ずくを惜しむは、ずくを出したいのに何らかの事情があってずくを出せない状態のことだといえます。
つまり…ずくを病む、ずくを惜しむ状態は信州人にとっては不本意な状態ともいえますね。
私の知り合いではずくを病む、ずくを惜しむ状態に陥ることを嫌う長野県民が大勢います。
こたつには入らない!家に帰ったらすぐに座らず立ったまま動き回って家事を片付ける!そんな風に”ずくを惜しまず”行動する仕掛けを自分に課しているようです。
”ずくなし”と言われたらけなされているの?
ずくという言葉は”ずく出せ”という以外にも”ずくなし”という一つの単語として使われています。
実はこの”ずくなし”という言葉は、決して相手をほめている言葉ではありません。
ずくなしと言われたらどんな意味だと考えれば良いのでしょう?
ずくなしは信州人に嫌われる?
ずくなし=根気・やる気がない状態をさします。
面倒くさがってなかなかアクションを起こさない人、行動力がない人などを”あなたはずくなし”などと形容します。
長野県の人々は【ずくがある】自分たちの県民性をことさら誇りに思っています。
そんな長野県民にとって”ずくなし”さんは理想とは真逆の存在…
長野県民はとっても、真面目で勤勉な人が多いのです。
誰もがきっと”ずくなし”にはなりたくないな〜ずくなしになっちゃいけないな〜と思っているはず。
ゆる〜くのんびり生きることも時に大切ですが、あんまりにも”ずく”がないずくなしさんだと長野県の人に嫌われてしまうかも!
ずくは信州人のアイデンティティ!
長野県民は”ずく”という言葉にとても愛着を持っています。
”ずく”出してがんばることも大好きだけれど、その分お茶の時間や語らいのひと時を大切にする長野県の人々。
会話の中でもしばしば”ずく”が登場します。
- ”こう毎日暑いと、ずくを病んじゃうよね〜”
- ”今ずく出してがんばれば、おいしい野菜が育つからね〜”
- ”お漬物食べたらずく出してがんばるか!”
など…
”ずく”という言葉は信州人のアイデンティティとも言える、長野県と切り離せない存在です。
長野県の県議会の議事録にも
「ずく」#ケンミンSHOW pic.twitter.com/77TD5uuVMm— おぶせくりちゃんの2.0β (@obusever2) 2018年8月23日
”ずく”は長野県以外でも使われている!
ずくは長野県だけでつかわれている方言ではありません。
ずくのもつニュアンスは各県で異なるようですが、ずくという言葉は長野県以外でも使われているのです。
”ずく”をという言葉がある地域は長野県外にも!
- 青森
- 岩手
- 秋田
- 新潟
- 熊本
東北地方で使われている”ずく”は、強い精神力、がまん強く続ける気力、元気、意地、また働く意欲、やる気などという意味で用いられています。
東北地方の”ずく”は長野県の”ずく”とちょっと似ていますね。
長野県のお隣、山梨県や新潟県では”ずく”は意気地”という意味で使われているそう!
ずくがない=意気地がない人、という意味になるんですね。
長野県では意気地がないというニュアンスでは”ずく”は使われていません。
お隣の県に行くとちょっとニュアンスが変わるんですね!
長野の方言”ずく”の意味!ずくを惜しんだりずくを病む”ずくなし”はダメ?まとめ
”ずく”という言葉は信州人のアイデンティティそのもの。
信州人のスピリットを如実に表した言葉が”ずく”だともいえます。
他の県の言葉で”ずく”に置き換えられる言葉はあるだろうか?
また”ずく”を英語に訳すとしたらどんな単語が当てはまるだろう、と考えた時、改めてずくの定義について考えさせられます。
私も”ずく”を惜しまず手を動かし続ける長野県の人々にあやかりたいです…(汗)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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