カレーは美味しいです。
私は正月にも三箇日を過ぎたころには「おせちもいいけどカレーもね」といいながらカレーを食べるくらいにはカレー好きです(笑)
しかし、カレーって作り過ぎることが多くないですか?
家族の人数分作る時も、おかわりを考慮して少し多めにカレーを作ったりすることもあるでしょう。
私が一人暮らししていた時でも、面倒なのでカレーを多めに作って数日の間、毎食カレーだったことがあります。
多めに作った時、一晩鍋の中にそのまま寝かせておいて、次の日に温めなおして食べるのが普通ですよね。
一晩寝貸すとカレーがより美味しくなって、ごはんも進みます。
ですが、カレーを常温でそのまま置いておくのって実は危ないんです。
カレーを常温で置いておくとどう危ないのか?
どんな風に保存しておくと安全なのか?
そんなカレーの保存に関することをご紹介します。
目次
カレーを常温で保存できる期限は?
カレーを常温で保存できるのはせいぜい1日です。
それも冬場などの時期の話で、梅雨や夏場の時期にはカレーは1日持ちません。
カレーを作った鍋をそのまま一晩おいておき、次の日の朝も食べるということはよくあると思います。
しかし、カレーは想像以上に腐りやすい料理なのです。
私も一人暮らしの時、カレーは結構日持ちすると思い込んでいたら、お腹を下しました(笑)
一晩くらいなら大丈夫、と思うと痛い目を見ます。
主にお腹が。
カレーの食べられるかどうかの基準はにおい、味、カビあたりです。
少しでも酸っぱいにおいや味がしていたらカレーは危険ですので食べないようにしましょう。
カビは言わずもがなです。
酸っぱいにおいや味のするカレーを食べると食中毒を起こす可能性があります。
食中毒の原因となる菌の中で、カレーに繁殖しやすいのがウェルシュ菌という菌です。
次はそんなカレーに多く潜んでいるウェルシュ菌の特徴を説明しましょう。
カレーで増えるウェルシュ菌の特徴
ウェルシュ菌は食中毒を起こす原因第2位と言われている菌です。
カレー以外にもシチューなどのルーの類や給食など、大量に作りこみするタイプの料理で繁殖します。
普段から腸内に存在する、いわゆる悪玉の常在菌で、増えすぎると人体に影響があります。
ウェルシュ菌が引き起こす食中毒の症状は1~2日ほどの腹痛と下痢程度で、食中毒の中では軽い症状なほうですが、食中毒にならないに越したことはありませんよね。
カレーを作る際、煮込む前の状態ではウェルシュ菌以外にもたくさんの菌が仲良く混在しています。
沸騰するくらいまで熱すると大抵の菌は死滅しますが、ウェルシュ菌は熱くなってくると自らを殻で覆い、煮沸しようが冷凍しようが生き延びることが出来る状態になるのです。
どんな困難にも耐え抜く姿勢は見習いたいくらいですが、正直迷惑で厄介です(笑)
とはいえ、調理直後の段階ではカレー内のウェルシュ菌の数は食中毒を起こすほどではありません。
カレーを食べ終え、鍋を放置しておくと温度が下がり、ウェルシュ菌は殻を破り再び菌としての行動を開始します。
ウェルシュ菌は酸素が嫌いで、適度に生暖かい温度が好き(43~47度が繁殖に適した温度)なので、カレーの中央や底で繁殖をします。
生暖かく、空気に触れない部分が多いカレーはウェルシュ菌にとって理想の環境というわけです。
そんなウェルシュ菌に対し、どんな工夫をすればカレーを安全にいただけるのでしょうか。
カレーを常温で保存する工夫
カレーを常温で安全に保存するのは難しいです。
というのも、大抵の料理はもう一度食べるときに加熱すれば大体何とかなります。
ですが、ウェルシュ菌は一度増えてしまうと加熱しても殻で覆われているので死にません。
つまり、ウェルシュ菌が増えた後に死滅させるのではなく、増えさせないような工夫が必要です。
方法としては
- 高温で保存する方法
- 低温で保存する方法
の2つがあります。
それぞれ見てみましょう。
高温で保存する方法
まず現実的でない方法をあげるならば、カレーを常に高温に保って保存しておくことです。
ウェルシュ菌は殻に覆われている間は増殖しませんので、一晩中カレーを火にかけておくことが出来るならば、それが理想です。
具体的な温度としては60度以上を保つように保存すれば、カレー内でのウェルシュ菌は殆ど増殖しません。
しかし、寝てる間火をかけっぱなしにするわけにもいかないですし、まず無理ですよね。
低温で保存する方法
高温が無理なら低温で保存しましょう。
カレーはゆっくりと温度が下がりますので、ウェルシュ菌が元気いっぱいな45度前後の時間も長いです。
そこで氷を張った桶などに鍋ごと突っ込みカレーをかき混ぜていれば、冷めるまでの時間が短縮されます。
かき混ぜないと表面だけ冷めて中央部分は温かいまま、ということがありますのでちゃんと全体が冷めるようにしましょう。
ウェルシュ菌が活動できるのは5~60度の間で、常温保存だとカレーを5度以下にするのは難しいですが、カレーの温度を下げることで繁殖を大幅に抑えることが出来ます。
1日くらいでしたらまず安全に食べられるでしょう。
しかし、常温だとどうしても手間がかかる上に長くても2日ほどしか持ちません。
カレーを保存する際は冷蔵、冷凍を利用することをお勧めします。
カレーの常温以外での保存方法
カレーを保存する際、温度が低い状態で保存しておけば菌は繁殖しません。
ということで、冷蔵や冷凍して保存すればカレーを安全に食べられる期限は常温保存の時と比べてグンと延びます。
- 冷蔵した場合
- 冷凍した場合
のカレーの保存方法を見ていきましょう。
冷蔵した場合
冷蔵庫に入れる前に、カレーを一度冷ましましょう。
先程も述べたようにカレーはゆっくりと温度が下がっていくので、温かいうちに冷蔵庫に入れても冷めるまでにウェルシュ菌が繁殖します。
冷蔵庫内の温度は確かに低いのですが、カレーの内部はなかなか冷め切らないので、常温保存の時と同様に氷を張った桶などに鍋ごと入れてかき混ぜる、といった方法で素早く冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。
一度冷やしてしまえば冷蔵庫に入れればウェルシュ菌は繁殖しにくく、3日ほどは持ちます。
また、ウェルシュ菌は空気を嫌うので、カレーが空気に触れるように保存することも有効です。
具体的には、カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れるのではなく、小分けにして空気に触れる表面積を増やすことで菌の繁殖を抑えることが出来ます。
この時、タッパーいっぱいになみなみとカレーを注ぎ蓋をする、というような保存の仕方だと結局空気に触れていないのであまり意味はありません。
空気に触れてさえいればいいので、通気性はなくてもかまいません。
容器いっぱいにカレーを入れず、空間を開けていればラップ等で密閉しても問題ないです。
ラップ等をしないと冷蔵庫内にカレーの匂いが充満します。
出来れば底の浅い器に入れるなど、空気に触れる面積を増やすことを意識するといいでしょう。
食べる前にしっかりと加熱することをお忘れなく。
冷凍した場合
食べ物の保存は冷凍庫が最強と相場は決まっています。
小分けにして冷凍庫に入れれば1か月ほど持ちます。
それだけ保存出来れば間隔をあけて食べることが出来るので、毎食カレーでうんざり、なんてこともありません。
ただ、問題もあります。
ずばり、使いづらい。
冷凍するとカレーは当然カチカチに固まってしまうので、解凍しなければなりません。
冷蔵庫に前もって入れておくか、湯煎で解凍しましょう。
冷蔵、冷凍を利用することで長く保存できるようにはなりますが、出来ることならカレーは作ったその日のうちか、遅くても次の日までに食べたほうがいいです。
一晩寝かせると美味しくなるので、とっておきたい気持ちもわかりますが、食中毒になってまで食べたいものではないでしょう。
最後になんでカレーは寝かせると美味しくなるのか解説いたしましょう。
何故翌日のカレーは美味しいのか
カレーは次の日にはとろみなどが出て美味しくなっていますよね。
私は冷蔵庫に入れておいた前日のカレーを冷たいままアツアツのごはんに乗せ、少しづつとろかしながら食べるのが好きでした。
その食べ方が原因で腹痛に見舞われるまでは、ですけれど。
カレーを一晩寝かせると、まずルーが具材に染み込み、ルーと具材がなじんで美味しくなります。
また、逆に野菜や肉のうまみ成分がソースに溶け、ルーにコクが増します。
さらに野菜の中でもじゃがいもがキーとなっています。
じゃがいもは再加熱する際などに煮崩れし、うまみ成分だけでなくじゃがいも自体がルーに溶けていきます。
これがルーの辛味などを抑え、まろやかな味わいになります。
美味しくなる根拠も充分、きっとカレーの本場インドでも一晩くらい寝かせる食べ方は人気でしょう。
……と思っていたのですが、どうやら違うようです。
日本で主に食されているのは小麦粉を使用した欧風カレー、インドのスパイス重視のカレーとは違います。
インドのカレーは一晩おいておくと肝心のスパイスの風味などが飛んでしまうため、美味しくなくなってしまうようです。
それでも日本で食べられているカレーは一晩寝かせると美味しくなるので、正しい保存方法で安全に美味しく食べましょう。
カレーの保存は常温だと危険?余ったカレーを安全に食べる方法を紹介のまとめ
今回の記事はお役に立っていただけましたでしょうか。
カレーは子供から大人まで幅広く人気な料理です。
だからこそ、子供でも安全に食べられるように、余ったカレーの保存はきっちりと菌の繁殖を抑えるようにしましょう。
工夫することである程度の期間の保存はできますが、出来るだけ早く食べきることを心掛けたほうがいいです。
また、カレーで注意が必要なウェルシュ菌は、カレーだけでなくシチューやハヤシライス、スープの類全般で注意しなくてはいけません。
せっかく作った料理、完璧な保存で残さず安全に最後まで美味しく食べましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。