こんにちは、水の生物を学んでたしずくです。

今回の「タコとイカの違い」について、大学で習ったことを中心にまとめてみました!

タコとイカっていうと、全然違うじゃ~ん!?って思う方もいると思いますが、分類的には同じ「頭足類(とうそくるい)」の仲間!
どっちか分からん!ってくらい判別がむずかしい種類もいるんですよね><

ちりめんじゃこ(シラス)に入ってる「ちりもん」って聞いたことありますか??
わたし、ちりもん探すの大好きで(笑)

タコ イカ
ちりもんinシラス

小さいイカ?タコ??がまぎれ込んでて、かっわいいんですけど、「どっちだろ・・」ってなる時もあるんです(´ω` )
どっちだと思いますか?笑

タコとイカの違いを10つも!挙げてみましたので、これを読めば見分けることが出来ます!あなたもタコ・イカ博士になっちゃってくださいv





違い1、足の数が「タコ8本、イカ10本」はおおむね正しい

タコとイカの違いは?と聞かれて、まず思い浮かぶのが「足の数の違い」ではないでしょうか!?

  • タコの足: 8本
  • イカの足: 10本(8本の足+2本の触腕)
タコ イカ 違い タコ イカ 違い

でも、これは「おおむね」正しいんです・・・。つまり、例外もいます!

タコイカ、ヤツデイカというイカの仲間は、8本しか足がないんですよ。まぁ8本しかないことが分かりやすい名前ですよね・・・。
タコイカなんて、見た目完璧イカなのに、足が8本っていうだけで「タコ」って名前をつけられてるし。

いかに「足の本数の違い」を気にして、タコとイカを見分けているかが分かるネーミングです><

あと注意したいのが、普通のイカの足も8本に見えちゃうこともあるってこと!
イカの「触腕」は獲物を捕えるのに特化した長いもので、使わないときは収納してることが多いんです^^;

あ・・・足足言ってますが、タコとイカの場合「腕」って言った方が正しいのかもですね。。物をつかむ器官ですから。

あ、でもタコは歩いたりもするし、足って呼んでも良いかな(・∇・)b
まぁいかにも足に見えるところに生えてるから、足って呼んじゃうんですけどね!

次に、足の本数の違いよりもっと決定的なタコとイカの違いを教えちゃいましょうっ。

違い2、吸盤に決定的な違いが!!!

タコとイカの決定的な違いが、意外にも「吸盤の違い」!

吸盤は吸盤でしょ?なんのこっちゃ??
という感じですがどっこい、その構造には大きな違いがありました。

  • タコ: 吸盤
  • イカ: かぎ爪
タコ イカ 違い
タコの吸盤
タコ イカ 違い
イカの吸盤

タコはよくある、タイルとかにくっつくあのタイプの吸盤ですね!吸い付くタイプです。
問題はイカ。あの丸いの、吸盤じゃなかった・・・???

いえ、吸盤って呼ばれてはいるんですけど、くっつく仕組みは吸うより「細かいかぎ爪で引っかける」ってタイプです。

ダイオウイカと戦うマッコウクジラが、よく傷だらけになっていますよね・・・あれは鋭いかぎ爪にやられたんですよ(ノ_・、)

そういうわけで、吸盤を今度よ~~く見てみてください!!イカの吸盤は小さいですが、小さな小さなトゲ(かぎ爪)があるはずですよ☆

違い3、イカスミは美味しい。タコスミは料理にしづらい

イカスミを食べるってのはよく聞きますけど、タコスミって聞いたことありますか??

実際、タコスミ料理はほとんどありません。

タコスミとイカスミ【料理面】

  • タコスミ: さらさらしている。墨袋を取り出しにくい。
  • イカスミ: とろみがあって料理にからみやすい。

という違いがあるんです。

でも一応言っとくと、タコスミの方がまずいってわけじゃぁなさそうですよ。

「タコスミの方がうま味(アミノ酸のこと)が多くて美味しいんだ!」という人もいれば、「タコスミってさらさらして、全然料理とからまない…」と不満げな人もいました(笑)

タコスミの方が料理として扱いにくく、なおかつ墨袋も臓器に埋まっているので取り出しにくく、さらには一匹のタコから取れる墨の量も少ないんです!

これじゃぁタコスミ料理を作りたくないのも頷けますね><

タコスミとイカスミ【機能面】

 
スミの性質の違いは、タコとイカの墨の使い方に違いがあったんです!

  • タコ: さらさらの墨を拡散させて、目くらましに使って逃げる。
  • イカ: どろどろの墨のかたまりを「自分」だと思いこませて逃げる。

ポケモンで言ったらタコスミは「えんまく」、イカスミは「みがわり」ってとこですね(^∇^)b

あ、ちなみに、墨を吐けないタコやイカもいますよ!
我が愛しのメンダコも、深海の暗~いところに住んでいるためか、墨袋はありません。





違い4、体(外套膜)に切れ目があるかないかの違い!

この図!これこれ、見てください。
タコとイカの体の違い、なにか気づきませんでしょうか??

タコ イカ 違い

そう、イカのイラストを描くときって、目の上あたりにさらっと「体の切れ目」を入れちゃいませんか(笑)

目の上はタコ、イカともに内臓が入っている「外套膜(がいとうまく)」という部分なんですが、そこにイカは切れ目があるんですよね。(2ピースに分かれる。)

序章で出てきた「ちりもん」は、切れ目があるのでイカだと判断出来ます!!小さすぎて、足の本数とかよく分かりませんからね・・(^^;)

ちなみにちりもんはイカ率が高いです~。

違い5、イカにはヒレがある?

あとよく分かる見た目の違いが、「イカにはヒレがある」ということです!

イカの硬くて美味しいエンペラの部分のことですね(^ω^*)

確かにタコはツルツルで、ヒレはない・・・と言いたいところですが、これも例外がいます。けっこう。

また例に出しますがメンダコや、ダンボオクトパスと呼ばれるタコたちは耳のような可愛すぎるヒレがあります!

こいつはうちのメンダコちゃん(親子)です・・^^

タコ イカ 違い メンダコ 

イカは全部ヒレがあるはずなので、ヒレがないならタコ!は合ってますよb

違い6、殻を持つか持たないか!え、タコもイカも持たないんじゃ…

タコは原則、殻を持ちません!そして、イカは体内に殻を持っています・・・!!

タコもイカも軟体動物門という分類です。すなわち、貝と親戚なんですね!

貝と言うと、貝殻があるのが特徴的。実はタコもイカも、昔は殻があったんですって(゜o゜)
その証拠にほら、タコとイカの祖先と言われるオウムガイは立派な殻がありますよね・・・!

タコもイカも貝殻は退化していると思ってましたが、イカの方はまだ小さな小さな貝殻が残っているんです。驚きでした><

退化の速度に違いはあれど、そのうちイカの方も無くなっていくんだろうなぁ・・

・・と思ったあなた(?)
それは間違いではありませんが、これにも例外があります。

アオイガイ(カイダコ)という種類のタコは、今もまだ健在の貝殻をもつ、珍しいタコの仲間です!!本当にオウムガイみたいなタコさんです。

タコ イカ 違い
出典:Wikipedia(アオイガイ)

違い7、体色の変化はタコ・イカどっちが得意?

  

体色の変化は、タコもイカもそれぞれ違う目的で使っていると考えられています!

  • タコ: 周囲の色に合わせて「擬態」する能力が高い
  • イカ: 擬態はそこそこに、コミュニケーションをとったり威嚇するのに使う

イカは発光もできる種類がいます。
そうすると、イカの方に軍配が上がるか?と思いきや、周囲に見事に擬態出来るのはタコなんですよねぇ。

・・・両者引き分け!!!><(ぇ

タコもイカも目はとても良い(盲点がない。すごい。)ですから、色を変えることは重要なんでしょうね。





違い8、頭の良さの違い!それぞれに備わった能力

タコは頭が良い!というのは、なんとなく知っているのではないでしょうか??
餌の入った入れ物の蓋をあけたり、道順を覚えたり、動物の中でもトップクラスの知能をもっていると言われています!!

もっと水族館でも「タコショー」とか増やしたら人気出るんじゃないでしょうか??地味かなぁ(・_・;)

それに負けじと、イカも頭が良い動物とされています!
なんと、鏡をみて「これは自分だ」と分かる鏡像認知ができるという研究結果がでているんです!!

これはすごいことなんです!

よくツイッターなどでも「ネコに鏡を見せたら、鏡の中の自分と戦ってた!かわいい(*^^*)」みたいな映像が流れてきますが(すごい可愛いです)、鏡像認知が出来る動物は本っ当になんです。

人などの霊長類数種と、イルカやブタなど、10種類にも満たないと言われています・・・。

これは超高度な能力!なので、頭のよさ勝負も引き分けでしょうか。タコもイカも、それぞれ特徴を持っているということですね><

違い9、イカは泳ぎ、タコは底に!生活スタイルの違い

どちらも遊泳能力は高いのですが、イカは泳いでいることが多く、タコは底の岩場などで穴に潜っていることが多いですね。

タコも必要なときは猛ダッシュできますが、泳ぐための器官「ヒレ」を持っているイカの方が遊泳能力は高いと言えるでしょう。

イカの特徴として、は体内に細い軟骨があるのですが(あの透き通った板みたいなやつです)、それが支えとなって、速いスピードで泳ぐことができるんですよ☆

違い10、イカの方がよく獲れる?漁獲量の違い

タコとイカの日本での漁獲量の違いは、思ったよりも差があります!(2014年)

  • タコ: 約3万5千t
  • イカ: 約20万t

5.7倍もイカの漁獲量の方が多いですね!!
スーパーでもタコ(ボイル)はよく見かけるので、こんなに違いがあるとは思いませんでした(・・;)

でも、確かにタコの方が値段が高いです・・。

ちなみに刺身のイカはよく見ますが、刺身のタコはなかなか流通しておらず、漁港で食べた人の話では「美味しいけど噛みきれない(笑)珍しいものを食べた」だそうな。

「タコとイカの違い10選!イカは「吸盤」じゃない?タコスミは食べない?」まとめ

タコとイカの、意外にもたくさんある違いについてまとめてみました!

こうやって今一度まとめてみて、似ている種類でもこんなに違って、奥が深いなぁ・・・と痛感した次第です。笑

10つの違いを挙げましたが、やっぱり「吸盤」で見分けるのが一番正確だと思います^^

それでは、最後までお読み頂きありがとうございました!

しずくでした。