こんにちはー(^^)/
今回も、女だてらに海洋調査員をしてたわたしが、海の秘密について熱く語っちゃいますっ。
十数年も海の勉強ばっかりしていたので…こういう記事で、あなたのお役に立てたら嬉しいなと思っています。
今回のテーマは「海水に塩がなぜ含まれているのか?」ですよ。
きっと、誰しも疑問に感じたことがあるテーマじゃないでしょうか?><
特に小さいお子さんと海になんて行った日には、
「ねぇー、なんで海はしょっぱいの??」
と聞かれます!はい、間違いなく!!
海水には塩がどのくらい含まれているのか?
そもそも、なぜ今のような海水が出来たのか?
はるかはるか遠い昔までさかのぼって、海水の塩分について分かりやすく!お話していきます。
それではどうぞ~^^
目次
海水が塩の味がするのはなぜ?
海水が塩の味がする秘密はズバリ!海水に溶けている物質とその濃度が関係しています!
その理由は、
- 海水に溶けている物質のほとんどが塩化ナトリウムだから!
- 海水は濃度が高い!
からなんです!以下に詳しく見ていきましょう☆
海水に溶けている物質のほとんどは塩化ナトリウム!
海水がなぜ塩味なのかは、「海水に溶けている物質の約85%が塩化ナトリウムだから」!です!
塩化ナトリウムっていうのは、あのしょっぱい塩のことです。
それが海水に溶けている成分の85%ほども占めているのだから、海水の味が塩味なのも当然!ですよね^^
そのほかの15%はなんだと思いますか?
あなたも、「海水や、海から取れた塩の中に豊富に含まれるアレ」…聞いたことあるんじゃないでしょうか。
そう!
「ミネラル」です。
ミネラルが海水には多く含まれているんですよね~。
塩化ナトリウムを構成する「塩素」と「ナトリウム」もミネラルの仲間なのですけど、海水にはほかに
「マグネシウム」「カルシウム」「カリウム」など、さまざまなミネラルが入っています!!
他にも…なんとなんと、海水には地球上に存在するほとんどの物質がすこ~しずつ溶けているんです!!!いやぁ、さすが栄養の宝庫、海。
海水は濃度が高い!
海水の濃度は約3.5%…。とっても高いんです。
溶けている物質のほとんどが塩というのは分かりましたが、海水はすごくしょっぱいから濃度自体もとっても高く感じませんか?
それもそのはず、海水の濃度(海水に溶けている物質/水+海水に溶けている物質)は、約3.5%にもなるのですからね。
これ、500mlのペットボトルのお水に大さじ1の塩を加えた濃度なんですよ…(゜゜)
超☆しょっぱい…
海水が塩の味がするのはなぜか、お話しさせていただいたところで、どうしても気になってくるのが
「なぜそんなに塩がたくさんの海が出来たのか??」
次で、太古の地球にさかのぼってお話ししていきます^^♪
なぜ塩がたくさん入った海水が出来たのか?~海のはじまり~
それは、人類が誕生するずっと前の太古の地球の時代。地球の過酷な環境によって、塩がたくさん入った海水が作られたのです!
どれくらい過酷だったかというと、この太古の地球に私たちが行ったとしても、1秒も生きることができないくらい過酷なんですね!
まさに地獄のような世界です(恐)
この地獄の世界からどうやって海水に塩が含まれるようになったかというのを、
- まず塩酸の海ができた
- 塩化ナトリウムが溶かされて中和された!
というふうに分けて見ていきますね~!
まず「塩酸の海」ができた
海の始まりはちょっとこわい「塩酸の海」だったんですね。。
まず、地球が出来たのは今から約46億年前です。
そして海が出来たのは、44億年前~35億年前と考えられています。
では…海が出来た理由は??
地球が出来たころ、地球は超アツアツです。水も、水になれなくて、水蒸気として存在していたくらい。
そして、ふつう気体では安定していないはずの塩素も、たくさん空気中にありました。
地球がだんだん落ち着いてきて大気が冷えてくると、水が塩素を溶かしつつ降り注ぐ!→やっぱり地表は熱いから蒸発する…!→また降り注ぐ。。。
と、繰り返し、それこそ何千年と繰り返して窪地に溜まり、やっと海っぽいものが出来てきました。
気が遠くなるような時間をかけて出来たんですね…壮大なドラマはまだまだ続きます><
岩石中のナトリウムが溶け出して中和された!
「塩酸の海」となって、岩などを苦も無く溶かすその頃の海水は、どんどん辺りの岩石を溶かしました。
岩石にはナトリウムがたくさん含まれています!
ナトリウムがどんどん溶け出して、塩素と結びつくことで塩化ナトリウムとなって海水に存在するようになったんですね~。
なぜなら、「塩化ナトリウム」はとっても安定した状態の化合物だからです!
と、いうことは…海が安定した「海水」となった頃。
その頃から、すでに海水は塩の味がしてしょっぱかった、ということになるんですかね(゜゜)
その頃から、海水は変わっていない…。
本当に??
もう、塩素やナトリウムは海水に追加で溶け込んだりしないのかな?
…っていうか、人間って海水から塩とかめちゃくちゃ採ってるじゃん、むしろ減っている…!!?
人間ってのは地球の環境を変えまくってるからな(´・ω・`)
実際、海水の塩って増えてるのか減ってるのかどっちだと思いますか??
海水の塩の濃さは増えたり減ったりするの?
海水の塩の増減はどうなっているか…正解は、「変わっていない!!」でした!
いや~よかったですね、一安心!ではないですか(笑)
いじわるクイズみたいですみませんでしたけども。。
増えても減っても、海洋の生態系には大きな影響を及ぼすでしょうし。
わたしは海の生物を調査していて分かったんです…海水の中で暮らす生物には
「海水の塩分がある程度濃く、薄く変化しても生きられる」種類と、「少しの変化でも弱ってしまう…生きられない」という種類がいるんですよ…。
そりゃ、自然の流れで例えば季節などの変化で塩分が変わるくらいのものは耐えられますが、他の要因…人間による要因で塩分が変わって生きられなくなる、なんて悲しい…(泣)
でも悲しまなくていいんですよ!
塩分が今でも変わらない理由なんですが、
減らない理由は、人間が塩を採っているといってもわずかなもの。
しかもこれがよく出来ていて、人が塩を身体に摂り込んでも、排泄したり、土に還ったりなどして結局はそれがまた海水へと戻るんです。
増えない理由は、もうかつて空気中にあった塩酸は海水に溶けきってしまったから。
ということは、もう岩の中のナトリウムを溶かすこともないんです。
塩化ナトリウム…つまり塩は、このまま海水に溶けている濃度を保っていくんです!
ふふ…、良かった。(´`*)
わたし、海だけじゃなくて川や湖も、水全般が好きなんです。(いきなり
なので、海だけでなく他の水域の成り立ちも気になっちゃって…。
なぜ塩の味は海水だけなんだろうって、思ってしまったんですよ。
なぜ海水だけ塩の味がするの?川や湖は??
なぜ海水だけ塩の味がするのか、その理由は、
「海水の中の塩分は残して水分だけが蒸発して雨となり、川や湖になるから」です!
思ったより、単純明快な答えですね…!
かと言って川や湖には塩分が一切ない、というわけではありません。
前の章で、岩にナトリウムが含まれているとお話ししましたが、地表には様々な物質が溶け込んでいます。川や湖にも塩分はあるんですよ!
しかし、わたしなんかはよく味見しちゃうんですが(笑)実際になめてみたって淡水は淡水…、海水のような塩の味はしませんね。
それもそのはず。川や湖の淡水は、人間が感じられないくらいの微々たる量の塩しか入っていないからです。
あれ、でも地表から少しずつでも塩分が溶け出すなら、どんどん塩の味が濃くなるんじゃない…!?
と心配してしまいましたが、
湖にしても、川と繋がっていることでそのわずかな塩分は海へと運ばれ、海水と混ざります。
もし海へと運ばれなかったら!!
一例がコチラ><
死海、カスピ海…これは「塩湖」と呼ばれている、海への出口が一切ない塩味の湖です!!
今後、どうなるんでしょうね…?
出口がないってことは川からどんどん水が入ってくれば塩分は薄まってくるでしょうけど、反対に蒸発するばかりだったら塩湖はなくなって、塩だらけの土地になってしまうのかな???
魚や生物にとっては、そんな暮らしにくい環境より、安定したところの方がいいですよね♪
でもでも、そういえば、海水ってすごく塩が濃くてしょっぱいはずですが…
いくら水の中とはいえ、それは海水。海水魚は、のどが渇くことはないの?
海水魚はしょっぱい塩水の中でのどが乾かないの?
のどが渇くか?ということについては、
多分「のどが渇くと感じることはない!」…とわたしは思います(笑)
海水魚ももちろん水分は必要です。
しかしながら幸いにして(?)海水の中は水分だらけ。水分が不足することはありません。
なので、渇くことはないんじゃないかなー??
しかし、わたしたち人間だったらのどが渇いたって海水は絶対飲んじゃダメ!ですよね…
誤って海水を飲んで、その後えらくのどが渇いて大変だった記憶があります><
人間には備わっていない便利な機能が海水魚にはあるんですね~。
それは、「エラ」です。
海水魚は海水を飲み、「エラ」を使って塩分を体の外に排出します。
そうすれば、しょっぱくない水だけ体に取り込めるんですよ!
魚を観察していると、パクパクくちを開けて、よく見るとエラも動かしているんですよ^^わたしが見てると、水族館のイワシの群れなんか分かりやすいかな??
まぁ、あれはプランクトンを食べて濾しとっているのもありますが…
あ、エイも分かりやすいです!!
裏面の可愛らしいカオ…ではなく、あれは鼻の穴と口なのですけど、あれもパクパク動いて水を取り込んでいます。
そして、上側についてる本物の目の横の穴(噴水孔)もそれと連動して動くんですよ~、ぜひ観察してみてくださいね(*^^*)
…以上、「魚は海水の中でも自分で水を取り入れる機能が付いてる!だからのどは乾かないんだよ」ということでした~。
海水に塩はなぜ含まれている?その理由を元海洋調査員が分かりやすく解説!のまとめ
今回は海に関することでも最も疑問に思いやすい、「海水はなぜ塩の味がするか」についてまとめてみました!
大好きな海のことですので色々と語ってしまいましたが、この記事を読んで少しでも身になるな~と思っていただけていれば…とても嬉しいです♪
自分の中で知識を増やしても楽しいし、人に…お子さんなどに海水の事を聞かれて、教えてももっと楽しい!ですよね^^
今後も海に関する「なぜ?」「どうなってるの?」という色々な疑問をテーマに書いていこうと思っていますので、興味があればまたご覧ください…!
それでは、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!!
しずくでした。
海がなぜ塩を含むようになったのか、よく理解できました。
とある本で、海に溶け込んでいる塩分は、大地に含まれている塩分が河川を通じて海に流れ込んだものであるという説明を見ました。しかし、この説明では、海水の塩分濃度は、上昇を続けることになります。また、大地の塩分がゼロになったとき、海の塩分は一定になるという状態は、地球全体のエントロピーが減少しているようにも見えます。
塩化ナトリウムの片棒の塩素の量が、太古の大気にあった成分が海水に溶け込んだものに由来するという説明で、海水の塩分濃度が一定である理由を納得できました。ありがとうございました。