ボードゲームって色々ありますよね。
最近は私の周りでもスマホゲームが台頭していますが、やはり私は実際に向き合ってプレイするボードゲームに魅力を感じます。
将棋やチェスだけでなく、囲碁やオセロや人生ゲーム、マイナーなところではバックギャモンやカルカソンヌなどもあります。
そんな数あるボードゲームの中でも、将棋とチェスは似ていますよね。
将棋が強ければチェスだって強いだろうなんて思う方もいるかもしれません。
しかし、将棋とチェスをよく知ると、その違いは案外大きいんです。
どんなところが違うのか?
どっちが難しいのか?
そんな疑問をボードゲーム大好きな私がわかりやすく解説いたします。
目次
将棋とチェスの共通点
将棋とチェスは似ているという前提で話し始めていますが、どんなところが似ているのでしょうか。
まずは将棋とチェスの似ている部分を理解しなくては、将棋とチェスが違うと主張してもただの別物ということになってしまいますよね。
将棋とチェスは似ているゲームですけれど、違う部分もあるんです。
そこで、将棋とチェスの違いを見ていく前に、まずは将棋とチェスの共通点を見ていきましょう。
ここで取り上げるのは
- ルーツ
- 駒の動き
です。
将棋とチェスは起源が同じ
将棋もチェスも、起源はチャトランガというボードゲームであるといわれています。
チャトランガは相当古いゲームで、紀元前のインドで生まれたゲームらしいです。
ボードゲームはそれほど昔から存在しているのですね。
現在もインドに残ってはいるそうですが、あまり普及してはいないようです。
あまりにも古いため、どの時期にどのように伝わって将棋やチェスになったのかは定かではありません。
ただ、チャトランガが西洋に伝わり進化したゲームがチェスと言われています。
チャトランガが東洋に伝わり中国で形を変え、奈良時代に日本に伝わったのが将棋と言われています。
チャトランガは元々、戦争好きの王に戦争を辞めさせるために、戦争を模したゲームを作ったことが始まりという説があります。
将棋やチェスも戦争を模したゲームで、どちらも最終目的は相手の王を取ることという基本ルールは一緒です。
起源が同じなので、将棋もチェスも似ていてもおかしくはありませんよね。
将棋とチェスは駒の動きが似ている
将棋とチェスは駒の動きも同じようなものが多いです。
将棋での飛車角にあたるチェスのルークとビショップ、将棋の王将とチェスのキングなども動き方は完全に同じです。
将棋のほうが駒の種類が多い分、チェスにない動きをする駒もありますが、それでも同じ動きをする駒は多いです。
駒の動きが似ているため、将棋かチェスのどちらかの駒の動きが分かっていれば、もう一方の駒の動きも覚えるのに苦労はしないでしょう。
将棋とチェスの共通点を二点ほど挙げてみましたが、違うのはいったいどんな部分でしょう。
将棋とチェスは駒の数、盤の大きさが違う
チェスと比べて、将棋のほうが駒の数は多く、盤も広いです。
チェス盤の大きさは8×8マス、使う駒は一人16個なので二人で32個。
それに対し、将棋盤の大きさは9×9マス、使う駒は一人20個で二人で40個。
駒の種類もチェスは6種類、将棋は基本的には8種類です。
駒が多いと対局中に考えることも増えますし、そもそも駒の動きも将棋のほうが覚えるものが多いので、チェスのほうが初心者には易しいといえるでしょう。
鎌倉時代の日本には大将棋というものもあったようです。
この大将棋の盤の大きさは15×15マス、使う駒はなんと一人65個で二人で130個もの駒を使う将棋です。
駒の種類も29種類と非常に多く、大将棋の対局は面倒くさそう、もとい複雑そうですね(笑)
そんな大将棋と比べれば現在の将棋も非常に簡単で単純なのですが、それよりも駒の少ないチェスは覚えやすいという特徴があります。
ここまで将棋とチェスの駒や盤などの説明をしてまいりました。
では、将棋とチェスの対局中のルールはどのような点が違うのでしょうか。
将棋とチェスは取った駒の扱いが違う
やはり将棋とチェスの一番の違いは取った駒の扱いでしょう。
将棋は相手の駒を取ると自分で使えますが、チェスは取ったら二度と盤上に戻ってくることはありません。
どちらも戦争を模したゲームであり、日本では相手を捕虜として捕らえて再利用するという考え方があるので、将棋ではもう一度使えるのだろうといわれています。
将棋のほうが面白いという人はこの点をあげることが多く、実際将棋ならではの魅力であると思います。
取った駒が使えるか否かというのは戦術面でも大きく影響を与えています。
私も将棋しかできなかった頃、チェスのルールを覚えて対戦したら痛い目を見ました(笑)
将棋とチェスで同じような戦い方をしていてはなかなか勝てないんです。
では具体的には将棋とチェスの戦術面はどんな違いがあるのでしょうか。
将棋とチェスの戦術や定石の違い
取った相手の駒を使えるかどうか、というのが将棋とチェスの戦術にどのように影響するのでしょうか。
ここでは
- 駒得
- 攻め駒などの分類
- 対局全体の流れ
という3つの観点から見ていきましょう。
駒得
駒得とは、相手の強い駒と自分の弱い駒を互いに取り合うことです。
将棋でもチェスでも相手の戦力低下が自分の戦力低下よりも大きいほうが有利ですよね。
逆に自分の強い駒を取られ、相手の弱い駒を取ることを駒損と言います。
将棋は相手に強い駒を渡しても、相手は再びそれを盤上に打つので取り返すチャンスがあります。
そのため、将棋の対局では相手の陣形を崩すためだけに駒を捨てたり、自分から駒損をするという場面も少なくありません。
チェスは将棋とは違い、一度取られてしまうとそれっきりなので、立て直しが難しいです。
一度駒を取られたら終わりな緊張感がチェスの魅力です。
つまり、将棋よりもチェスのほうが駒得が大事であるという違いがあるといえるでしょう。
攻め駒などの分類
攻め駒というのは文字通り攻めに使う駒です。
例えば将棋では金将は守りに使う駒で、銀将は攻めに使う駒、という考え方が多いです。
実際将棋では王の周りは守りの駒で囲まれ、攻め入るのは難しいです。
しかしチェスの場合は消耗戦であるため、終盤は駒が非常に少なくなっていきます。
チェスの対局では相手のキングを取るためには駒を守りに使う余裕はなく、キング自身が敵陣に攻め込むことも普通にあります。
チェスでは守りはキャスリングするくらいで終わりです。
キャスリングとは、キングを盤上の端のほうへ避難させるチェスの特殊なルールです。一度の対局で一回だけ使えます。
つまりチェスには将棋における攻め駒などの分類の概念がないという違いがあります。
言い換えれば、チェスの場合はどの駒を攻めに使い、どの駒を守りに使うといった攻守のバランスを考える必要性が薄いです。
対局全体の流れ
チェスでは取られた駒は対局中は姿を消します。
そのためチェスの序盤は動きの大きい駒を使ったダイナミックな戦いになるのですが、終盤は駒が少ないので単純な戦いになります。
将棋はチェスと違い、取った駒も使えるので終盤は単純化することなく、むしろ序盤よりも複雑な攻め合いになります。
序盤は激しく終盤は静かなチェスと、序盤は様子見で終盤に戦いが激化する将棋は対局の流れが全然違います。
このように、実は将棋とチェスの定石などは大きく違うんですね。
では将棋とチェスはどちらのほうが難しいのでしょう。
将棋とチェスの難しさの違い
あくまで個人的にですが、チェスよりも将棋のほうが難しいです。
その大きな理由は選択肢の数の違いです。
将棋は盤が大きく駒も多いです。
しかも手に入れた駒を自由におけるということで、将棋は自分の指せる手の選択肢が非常に多いです。
当然相手も同様に選択肢が多いので、将棋は盤面がどのように変化するのか予想が難しいです。
一方チェスは駒も少なく、取った駒を好きなところにおける、ということもないので選択肢は多くありません。
なので、チェスの最善手を考えるのは将棋程は難しくありません。
実際、コンピュータ対人間の対局をすると、将棋はまだ人間が勝つこともありますが、チェスは完全にコンピュータのほうが上のようです。
おそらく選択肢が少ないので、チェスは将棋と比べて計算によって最善手が判断しやすいのでしょう。
将棋の場合は変化が多すぎてコンピュータでは計算しきれないのではないでしょうか。
結論として、将棋は考えることが多く難しいけれど奥が深い、チェスは考えることは少なく初心者にも易しいといえるのではないでしょうか。
将棋とチェスの違いを解説!初心者にオススメなのは将棋?チェス?のまとめ
今回の記事はお役に立っていただけましたでしょうか。
将棋とチェスは似た部分も確かに多いですが、実際にやってみると全然違うという印象を持ちます。
もっとも将棋のプロ棋士である羽生善治さんはチェスでも日本一を取っているそうです。
ルールに合わせた定石を理解すればどちらでも通用するんですかね。
将棋は全体的に読みが難しく、覚えることは多いですが、その分奥が深いです。
コンピュータ対人間でもまだ勝負になるくらいには複雑な将棋ですが、いずれは人間は勝てなくなってしまうのでしょうか。
今後の人間対コンピュータにも注目です。
チェスは比較的単純ですので、これからどちらかを始めてみようという方にはチェスをお勧めします。
世界的にはチェスのほうが競技人口も多いですし、ルールも覚えやすいです。
もちろん、漢字が好きだから将棋を始めるとか、駒がお洒落だからチェスを始める、といった好みで始めても何も問題はないです(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。