こんにちは、水の生物が専門のしずくです。
ふぐと言えば下関!わたしも行ってきたんですよ~。
唐戸市場に、フェリーで行ってきました!
(あいにくの雨でしたが;)
ふぐ料理の種類が豊富で、ふぐのお寿司、ふぐからあげ、ふぐ定食、ふぐカツサンドみたいなものまでめっちゃ食べました(笑)
美味しくて手ごろで大満足ですっ。
でも、ふぐって毒があるはずなんですよね・・・。
釣りでは、ふぐは毒があって「食べられない魚」として逃がしているし。
お店などでは当然毒のない部位を食べているのですが、じゃあ毒はふぐのどの部位に含まれているの?そもそもふぐの毒ってなんなの!?
知っていたら、もっとふぐを食べるありがたみが増す気がしませんでしょうか??
目次
ふぐの種類によって毒のある部位は変わる
「ふぐの毒があるのはここの部位!」と決まっていると思いきや、いちがいにそうとは言えないんです><
ふぐの種類ごとに毒のある部位は違うので、日本でおなじみの種類のふぐを見ていきましょう!
部位は、よく食べられる肝臓、卵巣、精巣(白子)、皮、筋肉、腸で見ていきます。
(部位についてはこちらの情報を参考にさせて頂きました!厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_01.html)
最高級のふぐ【トラフグ】
言わずと知れた、食用ふぐの頂点に君臨するトラフグ!
その毒のある部位は肝臓、卵巣、腸です。
白子、皮、筋肉は毒がない部位なので、食用になりますよ☆
ん・・?まてよ。
卵巣は毒があって、精巣(白子)は毒がない・・・むしろ白子なんて超美味って人気の部位!!ということは、オスのトラフグの方が価値があるんじゃ?
そう察しの良い方は気づいたかもしれませんが、その通りなんです><
前回書いた記事の「ししゃも」はメスの価値が高かったのに、人間って勝手だなぁ。
わりと高めの値段で美味しい【ヒガンフグ】
毒のある部位は、肝臓、卵巣、白子、皮、腸。食べたい部位ほぼ駄目ですね。
筋肉だけは食べられます><
トラフグの次に美味しいふぐと言われますが、あんまり食べたい名前ではないですね(・・;)
毒の部位が多いだけに、食べたら自分もご先祖様の仲間入りをしてしまいそうな・・?
「彼岸の時期に獲れるふぐ」というところから来ているんだと思いますが!
トラフグの代わり?のふぐ【シマフグ】
シマフグの毒のある部位は肝臓、卵巣、腸です!
白子、皮、筋肉は毒がなく食べられる部位です^^
トラフグが高い、あまり手に入らない・・という時に重宝されるシマフグ。
お値段は安めですが、味は美味しいですよ!
とはいえ、今は養殖でトラフグを増やせますので、それほどシマフグの流通量は多くないですね。
ふぐの女王?手ごろだけど美味しい【マフグ】
ふぐの中のふぐって名前ですが、そのイメージの通りです!
マフグは手ごろな値段で、流通量も多いふぐなんですよ~。
それでも、なんと「ふぐの女王」とも言われるほど味が良い!!マフグはもっと評価されても良いんじゃないでしょうか(・_・;)?ってぐらいです。
しかーし、やはりある「毒」。
毒のある部位は、肝臓、卵巣、皮、腸です。よくある「皮つき」のふぐ料理はしちゃダメ!です。
白子と筋肉は食べられますよ(^ω^)
鍋ものなどに使われる、安い【ショウサイフグ】
安さが魅力のショウサイフグ。鍋やからあげなど、庶民向けののふぐ料理によく使われます。
ショウサイフグの毒のある部位は、肝臓、卵巣、皮、腸です。
白子、筋肉は食べられますが、白子は微量に毒が含まれているので、普通レベルの食事より大量に食べるのはやめましょう><
よく見る釣りの邪魔者【クサフグ】
このふぐです、釣りでよくかかるのは!
クサフグの毒のある部位は肝臓、白子、卵巣、皮、腸なので、筋肉以外の部位には毒があることになります。あいつはそんなに毒魚だったんだ・・(´・ω・`)
皮にも毒があると言いましたが、触ったくらいでは大丈夫です。触ったあとはバケツに汲んだ水で手を洗ってますが、何百回も触ってるし、肌の弱い友人でも大丈夫(笑)
ふぐの毒は口に入れたり、血管に入りでもしなければまず症状はでないでしょう。
加工品などに使われる【シロサバフグ・クロサバフグ】
シロサバフグ、クロサバフグというのがいて、似ているけど違う種類のふぐです。
(画像はシロサバフグ)
毒のある部位はどちらの種類も同じで、肝臓、卵巣、腸になります。
毒のない部位はどちらも白子、皮、筋肉で、この部位は食べられます。
味は劣るので値段は安くて、加工品に使われる・・ので小さい種類のふぐかと思いきや、35cmほどになるんですよね、びっくり(゜゜)
注意したいのが、シロサバフグ、クロサバフグによく似た種類のふぐがいるということ!
全身が毒のふぐがいるんです・・・!!
全てが毒!?食べられる部位がない【ドクサバフグ】
ドクサバフグというふぐは全身が毒で、食べてはいけない種類のふぐなんですが、注意として載せておきます;;
シロサバフグとクロサバフグとよく似ているんですよね。
棘や尾ビレで見分けるんですが、よほど慣れてないと区別は無理です。
こういう紛らわしい種類もいるので、ふぐを自分で調理しようなどとは決して思ってはいけませんよo(・o・´)
そして、もっと釘を刺しておきましょう。次の種類を見たら、ふぐを調理しようなどという気は起きなくなるはず(汗)
危険!毒の部位が不明!!【雑種ふぐ】
近い種類どうしなら、雑種が生まれることは自然界でもあり得ます!
というか実際あります、雑種のふぐが産まれることは。
専門家でないと、図鑑など見て「こっちの種類だろう~」と勝手に判別してしまうことになりかねません・・・。
雑種ふぐは毒のある部位が一切不明になってしまうので危険なんです。
一般に雑種は繁殖能力が低いので雑種だらけになってしまうということはないですが、一定数はいますので、本当にふぐの調理はやめましょうね><
次でお話する「ふぐ毒の症状のおそろしさ」を見て頂ければ、きっと調理して食べようとは思わなくなるはず・・・!
ふぐ毒の種類とは?どんな毒なの?
ふぐの毒は、そのままふぐ毒とも呼ばれますが、正式な名称はテトロドトキシンという物質です。
神経に作用する神経毒でして、かなりおそろしい毒であるふぐ毒の症状、致死量などを見ていきましょう!
ふぐの毒は「テトロドトキシン」!症状や致死量は?
ふぐ毒を食べるなどして体に入れると、早くも20分ほどで症状が現れてしまいます。
- 口や、指先や足先にしびれるような麻痺症状
- めまい、おう吐などの症状が起こる
- 麻痺がさらに回る。言葉を話せなくなったり、血圧が下がる
- 呼吸困難に陥り、死亡
というのが、ふぐ毒の症状の流れです・・・。症状が重いと24時間に死亡までいたるケースが多く、ふぐ毒の症状が進行するスピードがいかに早いか分かりますね;;
気づいたら手遅れかもしれません・・。
毒性の強いふぐ、メフグやクサフグなどの有毒部位だと致死量はほんのわずかで、例えば肝臓ではたったの2g食べただけで致死量にいたることもあります・・・!!
(情報元:公益財団法人 日本中毒情報センター様)
ふぐの身(筋肉)ならいいんじゃないかと、安心してはダメです。ほんの一切れでも致死量になる可能性が・・・。
ふぐ毒は「致死率が高い」と言われ、なんと日本で食中毒で死亡する人数の半分を超えるのだそうです(゜゜;;)
ふぐによる食中毒が起こるのは、ほとんど個人で調理して食べた場合。
症状が出てからでは遅いので、くれぐれも安易に食べないようにしてください(・_・`)
ふぐは元々毒なしの魚だった!!毒をもつ過程とは
ふぐは、毒なんてもっていない普通の魚だったんです!あんなに毒魚でおなじみなのに・・・信じられますか?><
なぜふぐが毒をもっているのか、その過程がこちら。
- ビブリオ菌という菌が、毒を体内で作り出す
- 貝やヒトデなどがビブリオ菌を食べる
- ふぐが貝やヒトデを食べる
まさに生物濃縮!生態系の上の方にいる種類の生物が、だんだん濃度の高い物質(毒)を蓄えるようになるってことですね(汗)
でも、この仕組みだったら、ふぐだけがこの毒をもっているわけじゃないんじゃ・・?
そう、「ふぐ毒」と呼ばれますが、ふぐ毒が含まれる生き物の種類はふぐだけではありません。
毒々しいヒョウモンダコや、おなじみのカブトガニ、ペットで人気の可愛いアカハライモリなど、色んな種類の生物がエサによってはふぐ毒をもっていることがあります!
でも逆に言えば、エサの種類を変えればふぐだって毒をもたなくなるわけですよね!?(・∇・)b
ふつうに養殖で毒なしふぐが作れるんじゃ??(グッドアイディア!?)
養殖で毒なしのふぐが作れる!
その通り、毒なしふぐは作れます!エサの種類を、毒のない種類に変えれば良いわけですからねっ。
これで板前さんもふぐの毒に注意しなくて済む!(^∇^*)
・・・とは、簡単に行きませんで。(え
そうなれば簡単だったんですが、ふぐも生き物。色々繊細な問題があります。
養殖で毒なしふぐは作れますが、
- 本当に育てた全てのふぐが無毒なのか?
- 毒はふぐを守っていて、毒をなくすとストレスがかかる
など問題があります。
なので、今現在はまだまだ難しいと言えるでしょうね。
わたしは、たとえ毒症状が危険でも、ふぐは毒ありでそのままでいいと思います・・。ふぐはわざわざ毒に強い体をもって、わざわざ溜めこんでいるんですからね。
それが完成された今の「ふぐ」という生き物なんですよ><
「ふぐの毒がある部位は種類ごとに違う!よく食べられているふぐの毒はここだ!」まとめ
ふぐには毒がある!というのはみんな知ってますけど、ふぐの種類によって毒のある部位が変わるのは、わりと知らないことだったんじゃないでしょうか!
お店だとなんの心配もなくふぐを食べさせてもらってましたが、ふぐの種類や部位ごとの毒について知識をしっかり持った人が、細心の注意を払って調理してくれていたんですね。
もし間違って食べてしまったら、症状の進行が速いわ、致死量も微量だわでおそろしいですから;;
お店でありがたくふぐを頂くことにしましょう(>人<)
それでは、最後までお読み頂きありがとうございました!
しずくでした。
ショウサイフグの白子は微量に毒と書いてありますが無毒なのでは⁈