イタリアってどんな国なイメージですか?
私はピザやパスタといったイタリア料理と、何となく陽気な人柄というイメージで、世界大戦のときには日本、ドイツと同盟を組んでいたと教わった気もします。
あとはフェラーリもイタリアの車でしたっけ?くらいにしかイメージがわきません。
これだけではイタリアを分かっているとは言えませんよね。
しかし、大半の人はイタリアと言われてもこのくらいのイメージしかわかないのではないでしょうか。
国のことを知ろうと思ったら、まずは国旗を調べるのが一番です。
国旗はその国家を象徴するデザインとなっているのですから、国旗の意味を調べればその国の象徴的な部分は分かります。
ということでイタリアの国旗の意味や由来から、イタリアの文化や民族性を見ていきましょう。
目次
イタリアの国旗の意味はピザ?
イタリアの国旗は縦に三分割された三色旗で、俗にトリコロールと言われているものですね。
トリコロールというとフランス国旗のイメージがありますし、事実フランスでトリコロールというとフランス国旗を指すのですが、本来は三色旗全般を指します。
イタリア国旗の場合は三色旗のイタリア語であるトリコローレとも呼ばれているようです。
イタリアの国旗の色は左から順に緑、白、赤で構成されています。
それぞれの色の意味について、公式の説明はないようです。
一般的な解釈としては緑は美しい国土を、白は雪を、赤は愛国の熱血を意味しているとされています。
公式の解釈がないためそれ以外にも解釈の仕方の説があり、緑は自由、白は平等、赤は博愛という意味でとらえることもあります。
イタリアといえばピザというイメージな私は緑はバジル、白はチーズ、赤はトマトということしかできません。
なんということでしょう、マルゲリータが完成しました(笑)
なんと失礼な解釈か、と自分でも思ったのですが、似たようなことを考える人もいたようで。
かつてイタリア王妃のマルゲリータさんはピザを食べるときのことです。
バジル、チーズ、トマトソースがまるでイタリア国旗のようだとそのピザをいたく気に入り、そのピザに自分の名前を冠した名称をつけたのです。
それが現在のマルゲリータです。
そんなピザの名前にもかかわっているイタリア国旗ですが、このようなデザインになった由来はピザは一切関係ありません。
イタリア国旗の由来は隣国の国旗
三色旗、といえばフランス国旗ですよね。
イタリアの話をしていたはずなのにいきなりフランスの話かよ、と思ったかもしれませんが、ある意味これが結論なのです。
そう、イタリアの国旗の元となったのはフランスの国旗です。
フランスの国旗のデザインは縦に三分割されたデザインで、色は左から青、白、赤となっています。
イタリアの国旗の緑を青に変えるとフランス国旗になります。
イタリア国旗の自由、平等、博愛という解釈は、フランスの国旗の意味するところと全く同じです。
なんでイタリアの国旗はフランスの国旗を元に作られたのかというと、イタリア建国の際の歴史が関係しています。
イタリアの国旗は様々な変遷があって現在のものになっているのです。
ではそんなイタリア国旗に関連するイタリア建国の歴史を見ていきましょう。
イタリアの歴史は国旗にあり
イタリアの国旗はフランスの影響を受けていますが、イタリアの建国にフランスが関わっているのです。
始まりは1796年、ナポレオン率いるフランス軍がイタリア北部に国家を作りました。
この時に採用された国旗が現在のイタリアの国旗の前身です。
当時の旗は横に三分割された緑、白、赤の現在と同じ三色旗に、中心にシンボルが描かれていました。
その時の国の名前はチスパダーナ共和国、まだイタリアという名前ですらなかった頃ですね。
現在のイタリア国旗の元となったデザインは18世紀ごろからあったのですが、イタリアの国旗のデザインはここから何度も変わっているんです。
チスパダーナ共和国がイタリアという名前になったのは1802年、ナポレオンを大統領としてイタリア共和国が建国されたときです。
その時の国旗は現在のイタリアのものとは大分違うデザインで、赤地に白の菱形を置き、その中央に緑の正方形を置くというデザインでした。
名前はイタリアになりましたが、国旗は現在のイタリアと全然違うものになりました。
さらにナポレオンがフランス皇帝となった時にはイタリア王国となり、イタリア共和国の国旗の中央に金の鷲のシンボルも加えられました。
もはや現在のイタリアの国旗と同じ部分は色合いだけですね。
その後、19世紀後半にはイタリア統一運動がおこったのです。
過去にフランスではフランス革命が行われており、その時に象徴としてフランス国旗が用いられていました。
そんな歴史もあり、フランス国旗には革命の象徴という意味合いがあり、そのフランス国旗のデザインを継承している三色旗が復活しました。
緑、白、赤の三色旗はイタリア統一運動のシンボルだったのです。
その運動の結果、イタリアは統一され、イタリア王国として新たに建国されました。
イタリア王国の国旗は統一運動のシンボルである三色旗の中央に王家の紋章を置いたデザインでした。
その後王政が廃れるまでは中央にシンボルのあるものが使われていましたが、1946年には王政がなくなりました。
その時にはじめて中央のシンボルが除かれた現在のイタリア国旗と同じものになったのです。
現在のデザインとなるまでに皇帝が変わったり革命が起きたりと様々な出来事があり、それに合わせて国旗が変わっていたのですね。
国の事情により国旗が変わるという事実を知ると、国旗は国のことを象徴するものだという感覚がより強くなりますよね。
歴史ある国旗をイタリア人は愛していて、ワールドカップの時などは多くの家の窓から国旗がはためくそうです。
そんな歴史を持つイタリア人、現在はどのような文化が残っているのでしょう。
イタリアの文化は伝統的なものが多い
イタリアは昔からある伝統的な文化がたくさん残っています。
ここでは
- イタリアの料理
- イタリアの美術
- イタリアの遺跡
の3つを見ていきましょう。
イタリアの料理
イタリア料理といえばオリーブやトマトが使われているイメージですよね。
ですが、それは南イタリアでの話で、北イタリアではフランスと同じような生クリームなどを使用した料理が多いです。
イタリアは南北で気候などの地理的な要素が異なっていてます。
さらに現在のイタリアが出来るまで多様な独立国家があり、それぞれの国家で特徴の異なる料理が作られていました。
こういった理由から、一口にイタリア料理と言っても地方ごとに特色があり、各地方の郷土料理が発展しているのがイタリアの食文化です。
なので、イタ飯を食べるときはイタリアのどの地域の料理なのか知っていると、うんちくを語りながら食べる知識人に見られますかもしれません。
イタリアの美術
紀元前に建国されたローマから始まり、中世にはルネサンスの本拠地であったことなどからイタリアの美術は美術史そのものに深く関わっています。
イタリア美術を知れば古代から近代までの美術様式の移り変わりを把握できるといわれているほど。
ブレア美術館やアカデミア美術館といった大きな美術館も多く、絵を見るのが好きであればいくら時間があっても足りないくらいに楽しめるのがイタリアの美術です。
イタリアの遺跡
そんな歴史あるイタリア、建造物も歴史的なものが多くあります。
特にローマには数多くの文化が残っています。
かつてはローマの壮大さを表した「ローマは一日にして成らず」という言葉もあったくらいです。
そんな歴史的建造物の中でも有名なのはコロッセオでしょうか。
巨大な闘技場で、5万人は収容できるのだとか。
東京ドーム並みの建物を西暦80年に作り上げたというローマが誇る巨大な遺跡です。
西暦二桁ってあまり目にする機会がないので、相当古いってことが分かりますよね。
また、ローマ帝国はカトリックの本拠地であったこともあり、神殿も数多く残っています。
パンテオンやローマ神殿など、荘厳な雰囲気を醸し出す建物が数多くあります。
ここでは紹介しきれないくらいに歴史的な建造物などが残っているので、本気でイタリア観光をしようと思えば結構な期間を要するでしょう。
まさにローマは一日にして成らずですね。
そんなイタリアに生活するイタリア人はどんな特徴があるのでしょう。
イタリアの民族性は明るくて接しやすい
イタリア人は一言で言えば陽気。
明るくて前向きで小さなことにくよくよしない性格の方が多いようです。
政治でも今が良ければその先はあまり考えないのだとか。
さすがに政治では少し慎重になったほうがいいと思いますけれど(笑)
そんな感情が豊かで裏表のない性格のイタリア人は、他国から見ても接しやすい人たちです。
多少行き過ぎるところもあり、相手の事情そっちのけで自分の話したいことを話し、自分の会話を終えると何事もなかったかのように去っていくこともあります。
また、イタリアの気質としてはマイペースなことが挙げられます。
銀行などで行列が出来て顧客がいらついているときでも、自分のペースでゆっくりと仕事をこなすのだとか。
そんなマイペースなことも相まって、時間にはルーズな傾向があります。
待ち合わせなどで時間を守らないのは序の口、道路工事などは予定よりも遅れないことのほうが珍しいくらいです。
現在の日本では考えられませんよね。
多分予定通りに終わらせるには何時までに何をしなくてはいけないという考え方がないのでしょう。
とにかくマイペースな生活、ちょっとうらやましいですよね。
そんな感じで、基本的にイタリア人は明るくマイペースで接しやすい気質なので、イタリアに観光に行く場合は最低限のコミュニケーションは取れるようにしておくとより楽しいでしょう。
イタリアの国旗の意味や由来とは?隣国の国旗の影響を強く受けた三色旗のまとめ
今回の記事はお役に立っていただけましたでしょうか。
イタリアの国旗はいわゆる三色旗です。
三色旗は世界中にたくさんありますけれど、込められた意味やその由来はそれぞれ違うものです。
イタリアは建国するまでに国旗が色々と移り変わり、現在のデザインに至っています。
イタリアの国旗の変遷をたどることが、そのままイタリア建国の歴史をたどることに繋がるというのは面白いですよね。
また、イタリア人は明るくて接しやすく、観光名所となる遺跡や美術も豊富、料理はおいしい、といいことがいっぱいです。
海外旅行の行き先としても人気のイタリア、あなたも機会がれば一度訪れてみては?
最後まで読んでいただきありがとうございました。