こんにちは、海洋生物学が専門のしずくです。

クラゲって神秘的な生き物ですが、どうしても脇役な感じがしますよね;
わたしが水族館などでクラゲの世話してた時も、すごい数のミズクラゲが入ってる水槽がありましたが、地味な感じでした・・・(^^;)

でも最近になって、ついにクラゲが盛り上がってきましたよね!!!

そう、「加茂水族館」の登場で!!!!

加茂水族館はもとは普通の水族館でしたが、なんとか特徴ある水族館にしたいなぁとクラゲ水族館として生まれ変わったんですよ!
行きたい、いや行きます(確定)

しかしここで、海洋生物を専門とする血がさわぎ出しました。

クラゲの魅力は分かってもらえても、クラゲの生態や体の構造などは分からない方が多いんじゃないか!?

本当に不思議な魅力満載です!これでクラゲ人気にもっと火がつくはずー!

ということで、知って面白いクラゲの生態・体の構造についてごらんくださいっ(^^)ノ



不思議なクラゲの生態!でかくてもプランクトンの仲間

プランクトンって、すっごくミニマムなサイズの生き物だというイメージがありませんか??

実はプランクトンの定義ってサイズじゃないんですよね!
なのであんなクラゲも・・・。

プランクトン、つまり浮遊生活をする仲間

プランクトンは「浮遊生活をする生き物」です!
サイズじゃなくて生活様式で呼ばれていたんですよ~^^

ほとんど泳ぐ能力のないクラゲはふよふよ漂っているので、プランクトンと呼ばれます。
これけっこうびっくりポイントです!

日本で2mもある巨大さで有名なエチゼンクラゲだってプランクトン!世の中にいる細長~いクラゲ、クダクラゲだって全長50mもあるのにプランクトン!!

人よりビッグなのにプランクトンなクラゲ達ですが、なにも全く泳がないわけではないんですよ~。

「流れをつっきって泳ぐことが出来ない」生態を持つのがプランクトンですからね。

しかしそれが役に立っているのかは疑問・・?

全く泳がないわけじゃない

クラゲは「ふわーふわー」と動いていますよね!傘をゆっくり開いたり閉じたり。

あれがクラゲなりの「泳ぎ」です。あれで精一杯泳いでいます(笑)
正直あれに、泳ぎに関してどれほど意味があるのか疑問です・・・クラゲの生態を観察していると、エサを入れても追いかけるわけでもなし。(偶然エサがあったら刺胞で刺したり、そのまま吸いこんで食べるみたいな)

それどころか、もし水流がなくなると底に沈んで、動けなくなって弱って死んでしまうらしいです;;

こんなか弱い、水流任せな生態でいいのかクラゲよ。(まぁ海では問題なしですね。波はいつもありますから。)

あっでも、サカサクラゲなんかは底に張り付いて生きてく生態を確立してますからご安心を!
クラゲじゃないけどプランクトンのクリオネがよく底に溜まってて一瞬ぎょっとしますが、あれは休んでるだけなので大丈夫です~(´`)b

クラゲ 生態 体の構造

クラゲは脳がないから何も考えてない?

わたしたちの全てをつかさどると言っても過言ではない、
その脳がないクラゲは、「考えること」が出来るはずがありません。

考えたり落ち込んだり、悩み過ぎたりする生態の(生態?)しずくとはえらい違う人生・・・クラゲ生を送っているんだろうなぁ。。

クラゲには脳がない!刺胞動物の仲間はそうなんです

クラゲは刺胞(しほう)動物の仲間です。刺胞ってのは、毒を刺すとがった針のこと。(海水浴でクラゲに刺されるってやつです~ →対処法
この仲間は脳がないんですよね。

刺胞動物には他にイソギンチャクやサンゴなども入るんですが、見るからに脳なんてなさそう・・ですよね(笑)

じつに簡単な体の構造をしているんです。

クラゲは大事な脳がなくて、どうしたら体を動かすことが出来るんでしょう?

神経があるから手(触手)を動かしたりできるよ

クラゲの体の構造には脳はないけど、神経はある!「散在神経」という神経が張り巡らされているんですよ。

わたしたちの場合は、脳から指令を送って神経に伝わり、体を動かすという構造ですが・・・
クラゲはそんな複雑な段階は踏まないんです!!

クラゲの生態はこんな感じです(・∇・)

「あっ、エサが触れた!食べよー」→毒注射
「体に栄養を行き渡らせないとやばい」→傘をふわふわ動かして循環させる

もちろんクラゲはこんなことを考えてやってません(笑)
簡単な身体の構造上、勝手に動くようになっているんですよ。

わたしたちも脳をすっとばして体が動く「反射」反応があるので、そんな感じと思ってもらえればいいかと^^

ある意味便利な体の構造??



動物の核、「心臓」がクラゲにはない!

生きているのに心臓がないってどういうこと!?と思ってしまいますが・・・

動物の核とはいえ、植物には当たり前ですが心臓はありませんよね。動物だって、扁形動物(プラナリア等)、棘皮動物(ヒトデ、ウニ等)は心臓がない体の構造をしています。

心臓があるのは当たり前!ではないんですね。

クラゲには心臓も血もない!

クラゲの体の構造には心臓がないし、血管も血もありません!
そう言われれば、砂浜に落ちてるクラゲから血が出てるなんてことはありませんよね><

透明な血とかかと思ってました・・・。
クラゲが死んで水っぽくなるのは血なんかじゃなくて、体の95%が水で出来てるからでしょう。

クラゲは血はないとはいえ、体に酸素や栄養を行き渡らせる必要はあるはずですよね?(・_・;)
それには「水管」という体の構造がちゃんとあります♪さすがにそういう仕組みがないと生きていけませんよね!
植物でも道管や師管という構造がありますもんね^^

でも、クラゲはそれを全身に送る、なにかポンプの代わりになる体の構造が必要なのでは・・・?

心臓の代わりのものはある

クラゲの「心臓の代わりになるもの」、それはなんと!

「クラゲ自身」だったんです!!!

どういうことかと言うと、あのクラゲのふわー、ふわーとした傘の動きに注目してください。
あの傘の開閉、酸素や栄養を体に行き渡らせるためにやっていたんです(・д・´)

たりない体の構造を補って、自分が心臓になろうとはなんたる発想!クラゲって実は頭いいんじゃない??脳ないけど。

クラゲ 生態 体の構造

クラゲだって生き物だ!口や胃はちゃんとある

これまでクラゲの体の構造は無いものばかりでしたが、口と胃はあります(笑)

一番普通に見られるミズクラゲを例にとると、どちらもとっても意外な場所にあったんですよ!^^

口と出すところが一緒

クラゲは食べるところと出すところが一緒です。人間が考えるとちょっと気持ちわるいかもしれませんが(笑)

ミズクラゲの口ってどこにもないように見えますよね??実は傘の裏側の真ん中にあるんです!触手の生えている位置の真ん中ですね~。タコとかも同じ位置ですよね!

触手の真ん中にあるから食べやすいんだろうなぁ~。

クラゲの生態ということで、食べているものは「プランクトン」です。
プランクトン(クラゲ)のエサがプランクトン(´ω`)

海には本っ当に大量のプランクトンがいますからね、「海水調査」で身をもって知りました。ほんの少しすくっただけでうじゃうじゃいます(笑)
クラゲはふよふよ漂うだけですが、食べ物には困らない楽な生態を選んだものですね~。

ミズクラゲの四ツ葉もようが胃だった!

ミズクラゲの傘の、かわいい四ツ葉もよう、まぁるいのが並んでてミズクラゲの(唯一の)目立つ特徴です!

あれが胃(生殖腺でもある)なんです!!つまり・・・

エサを食べたらあの模様が色が変わっちゃってすぐ分かります!ミズクラゲは透明ですからね^^

わたしが水族館でミズクラゲにあげていたエサはアルテミア(超ちっちゃいエビみたいなやつ)で、オレンジ色をしていました。なのでエサを食べてくれたミズクラゲはすぐに分かりましたよ!!
かわいいなぁ~と思いました(^∇^*)笑

体の構造的に、四ツ葉以外のところもオレンジ色になるんですよね。ちゃんと体に行き渡らせているようです。

ミズクラゲの生態はけっこう食事を多めにしているようで、水族館では1日3回あげていましたね。大きなスポイトで。

かーなーり、楽しい作業でした(笑)



5ツ葉、6ツ葉もようのミズクラゲを探そう!!

ヨツメクラゲとも呼ばれるミズクラゲですが、なんと4ツ葉意外にも5ツ葉、6ツ葉のものがいます・・・!

突然変異らしくたまにいるんですが、ミズクラゲはだいたいたくさん水槽に入っていますので、1~2匹はいます、きっと(^^)o
とはいえ探すのはちょっと大変。いつも見える位置にいるわけでもないですしね~。

わたしは「見つけたら幸せになれる」と思っています(笑)

お時間があったらぜひ探してみてください~♪

クラゲ 生態 体の構造

「クラゲの生態・体の構造の不思議!脳や心臓がないのに生きている仕組みとは?」まとめ

生き物なのに、わたしたちが思う「普通」の生態や体の構造じゃないクラゲ
今回は、そんな不思議生物クラゲの謎解きをしてみました!

生態や体の構造は、一番メジャーなミズクラゲではかなり解明されていますが、まだよく分かっていないクラゲも多くいます。

今回お話ししたことはクラゲの基本的な生態や体の構造でしたが、神秘的なクラゲに一歩近づいてさらに好きになってくれたら嬉しいです(^^*)

最後までお読み頂きありがとうございました!

しずくでした。